南シナ海のベトナム海域で中国による石油掘削に対して抗議する反中デモが暴徒化し、ベトナム全土に広がっている。
この暴動に発展した反中国デモによって、台湾系企業も襲撃を受けている。現地では「中国企業」と「台湾企業」の見分けができないのだ。「中華人民共和国」と「中華民国」では、日本人でさえも見分けがつかず、北京語と台湾語の聞き分けも困難だ。せめて台湾政府は、国旗や国名だけでも明確な違いをつけてほしい。海外に暮らす台湾人のために。

以下、ベトナム在住の日本人がメルマガ「台湾の声」に寄せた投稿を転載する。

ベトナム人が台湾企業を区別することは可能か?

ベトナムの反中デモで台湾企業が襲撃され、ベトナムを嫌いになってしまった経営者が多いと聞き、誠に心を痛めている次第でございます。

日本人のわたしは、愛車でよく地方をドライブ旅行しますが、漢字表記のある工場を見ると、家族でよく、「あれはどこの国の会社だろうか?」と会話することがあります。

実際問題、日系の会社なのか、台湾の会社なのか、中国の会社なのか、よくわからないことが多いのです。

日本の中小企業の場合、ロゴでは、日本の会社かどうかわからないです。台湾企業、中国企業ではなおさらです。新聞記者を10数年間していたわたしでさえそうなのですから、ベトナム人に、会社名やロゴから判別することは、かなり困難なことではないでしょうか。

繁体字、簡体字で区別することは、ほとんど不可能に近いと言っていいのではないでしょうか。

ベトナムの法律では、自国の国旗を掲揚することには条件が付けられています。しかし、そうした規制を無視して日の丸を掲揚している日系工場は多いです。一方、台湾国旗を掲揚している工場は、あまりみかけたことはないです。

また、かなりのベトナム知識層でも、中国と台湾を明確に区別出来ている人は少ないかのように感じています。わたしは日本との往復にはチャイナ・エアラインを利用します。なぜ、タイワン・エアラインではないのでしょうか。ベトナム人に、チャイナと「チャイナ」を区別しろと求められてもそれは無理な話です。

大規模に襲撃された台湾企業については、チャイナ・エアラインと似て、純粋に台湾企業というよりは、むしろ中国系台湾企業と呼んだほうがいいと考えます。労務管理は、かなりあこぎと聞いています。(ベトナム在住日本人)

 

新たな台越関係を

日本政府が「バスを派遣して日本人を迎えにいき、空港に集め、航空機を派遣して、帰国させた」という話は初めて聞きました。大使館は、注意情報を2回メール配信しただけです。

地方の反中デモには、暴走族が紛れ込み、略奪行為をしたと言われています。
ただ、いくつかの台湾企業は中国企業と見做されて、真剣に攻撃されたようです。

台湾派台湾企業は、台湾独立旗を掲げてベトナム社会に溶け込み、ウインウインの長期的経済関係を醸成されることを望みます。

中国派台湾企業は、その考えを変えない限り、これからの継続は難しくなると思います。

南シナ海問題の解決は、北京政府が北京政府である限り困難です。反中は、ますます強くなるはずです。

今回の反中暴動は、すべての台湾企業に「踏み絵」を迫った、台湾にとっては絶好の機会を提供したと前向きに考えて欲しいと思います。

頑張ってゆきましょう。西太平洋方面の平和と繁栄のために。
(ベトナム在住日本人)

 
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