今回は大東亜戦争の理由と意義について、とても明快に解説してくれています。是非多くの人に読んでいただきたいと思います。

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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル【12月7日号】 を転載

大東亜戦争

12月8日は真珠湾攻撃の日として語られるが、1941年(昭和16年)12月8日、日本はハワイだけでなくマレー半島でも作戦を開始したから、真珠湾攻撃の日としてだけ語られるのは間違いである。

ではこの日は何の日なのか?太平洋戦争開始の日?しかしハワイは太平洋にあるが、マレー半島は南シナ海とインド洋に挟まれており太平洋にはない。そもそも太平洋戦争という呼称は敗戦後、占領軍に強制されたものであり、開戦当時は大東亜戦争と呼称されていた。だとすればこの日は大東亜戦争開戦の日としか呼びようはあるまい。

今年は大東亜会議70周年にあたる。大東亜会議とは戦争中の1943年(昭和18年)11月にアジアの各国の政治指導者を集めて東京で開催されたアジア初のサミットである。日本が戦争に踏み切った直接の理由は英米が石油を禁輸したためである。ジャワ島には油田があったが、当時欧米の植民地であり、英米の禁輸命令に従い日本に石油を売ろうとしなかった。つまり経済封鎖を打破するために開戦したのだが、そもそも経済封鎖が可能になるのはアジアの各地域が欧米の植民地であるためである。

従って日本が生存するためにはアジア各国が独立してくれるのが一番いいわけで、かくて大東亜会議を開催しアジア各国の独立と解放を宣言したのである。第2次世界大戦において植民地の解放を謳ったのは実は日本だけであり、米国やソ連も当時、植民地帝国であった英国の同盟国であるから植民地解放を言っていない。
日本は戦闘に敗れ米軍に占領されることになったが、アジア各国は独立を果たしたから戦争目的は達成されたわけである。日本が戦後、経済発展を遂げることになったのも、アジア各国が独立したためである。

こうしてみるとあの戦争を愚かな戦争とみなすのは間違いだと分かる。もし戦争に踏み切らなかったならば、アジアの植民地は継続し、日本は絶えず欧米から経済封鎖を受け続け、繁栄どころか生存も危うかっただろう。してみれば軍事的には敗北したものの経済的な勝利を勝ち取ったといえるであろう。

 


軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)

鍛冶俊樹

1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、論文「日本の安全保障の現在と未来」が第1回読売論壇新人賞佳作入選。現在、日経ビジネス・オンライン、日本文化チャンネル桜等、幅広く活動。

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