鍛冶俊樹の軍事ジャーナル【9月6日号】を転載

インターネット番組「地図で見る第二次世界大戦」の放送・配信が始まった。司会:濱口和久、解説:鍛冶俊樹。週1回、約10分間、全50回、1年間の放送予定である。第1回は無料で視聴できるので、下記をクリックされたい。
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428

 今年は第二次世界大戦終結70年に当たると言う事で、3日前、北京で軍事パレードが挙行された。5月にはロシアで、7月には台湾で戦勝記念の軍事パレードが行われた。50年とか100年という節目なら分かるが、70年でどうしてかくも大騒ぎするのか?

 一口で言うなら、戦後確立した国際秩序が崩壊して、戦勝国の一員として貪ってきた利権が失われ始めた昨今、過去の戦勝神話しか拠り所の無い国々が利権の回復を求めて示威行進している、そんな光景であろうか。

 だが良くも悪くも戦後秩序を維持していた米国がその役目を放棄してしまった現在、戦後秩序の復権はある筈もなく、軍事パレードは結局のところ米国への挑戦にしか見えない。北京の軍事パレードが反ファシズムを自称しながら、ナチスの行進を連想させ習近平主席がヒトラーの様に見えたのは単なる偶然ではあるまい。

 戦争は要するに軍事占領に始まり軍事占領に終わる。第二次世界大戦は地球規模の戦争であったから軍事占領も地球規模となり、戦後の国際秩序もこれが基礎となった。してみれば地図で第二次世界大戦を振り返る以外に戦後秩序を理解することは出来ないであろう。

 


軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)

鍛冶俊樹

1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、論文「日本の安全保障の現在と未来」が第1回読売論壇新人賞佳作入選。現在、日経ビジネス・オンライン、日本文化チャンネル桜等、幅広く活動。

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