6月25日、台湾を訪問中の中国国務院台湾事務弁公室主任・張志軍に抗議する台湾人が政府当局により一時監禁された。
【台湾】中国高官の訪台に抗議する市民を排除
発端は、中国政府の台湾窓口部門である国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官が11日の記者会見で、「台湾の前途は台湾同胞を含む中国人民が共同で決める」と発言したことで、台湾で反発の声が高まった。
[台湾反発、大陸側担当官発言「台湾の前途は中国人全体が決める」] (サーチナ記事)

多くのメディアが取材する中で行われた取締りは、客室のドアを破るようにして室内に突入し、インターネットや電気を遮断するという事実上の監禁状態だ。民主主義の成熟した台湾の出来事とは思えない光景である。まさに中国の有様だ。その様子を記録した映像が多く残され配信された。

3月18日からはじまった学生たちによる立法院議場の占拠は、馬政権が一方的に中国と結んだ「サービス貿易協定」に端を発した。台湾に不利益な協定を水面下で推進する政府に対して、台湾人の利益と尊厳を守るために数百人の学生たちが蜂起し立法院議場を占拠して進行を止めた。その後1ヶ月以上に及んだ立法院議場占拠は、政府側が手続きの見直しを約束したことにより解除された。

政府といえどもその中には支那人と台湾人という価値観の異なる勢力があり、一枚岩ではない。軍隊においてもそうだ。「台湾の前途は中国人全体が決める」という中国閣僚の訪台に対して、台湾人が抗議活動にでるのは当然のことだ。

中共との内戦に敗れて台湾に逃げ込み、その後アメリカの保護の下に存続してきた国民党は、大陸で成立した支那人の政治勢力だ。以来半世紀以上台湾を事実上統治しながら台湾人を理解することができず、今日に至っても台湾人を認めていない。あくまでも中国人とみなし、そのなかの台湾民族に過ぎないと考えている。中国人に有利な「サービス貿易協定」によって台湾人の利益が阻害されても、「同じ中国人同士だからかまわない」というスタンスだ。

 

一人でも多くの人に知ってほしいと、facebook内でこの現状を拡散している台湾人の訴え。

Keimi Leeさんのfacebook より
【拡散希望】
私に日本の友達が多くありません。皆さんも大変忙しいと思いますが、ほんの少しだけ、読んでいただければうれしいです。
今日、2014年6月25日に、台湾で発生したこと。
※ロイター記事: [中国の閣僚級高官が台湾を初訪問]

今日は中国の国務院台湾事務弁公室主任・張志軍が初訪問で来台しました。ただし、ちょうどそのほんの数日前に、中国側にこのような声明がありました。
[台湾反発、大陸側担当官発言「台湾の前途は中国人全体が決める」] (サーチナ記事)

それで、張志軍に今のタイミングでは歓迎しない、「台湾の未来は台湾人が決めます」などの主張を直接伝えようと、昨日から張の宿泊ホテルに泊まっている社会運動団体のメンバーや民衆に対して、今朝、急に黒いスーツの人たちが客室のドアを破って、強制的に部屋を侵入し、退去を求めていました。
当時の映像はこちらです。

これは中国ではなく、北朝鮮でもなく、恥ずかしながら、2014年の台湾に発生したことです。

ホテル側と警察による「監禁」

その後、部屋に泊まっているメンバーに弁護士の方もいるため、警察やホテル側と口論になったところ、強制的退去はやめましたが、今回は、ホテル側と警察によって、民衆への「監禁」が始まりました。

お水も、食事も与えず、最後にインターネットや電気さえ断じ、正真正銘の監禁でした。ホテルの外に抗議の民衆が集まっているが、大勢の警察を集め、民衆を排除しようとしていました。

その一方、一部の民衆(どこから来たか分かりませんが)が空港に張を歓迎していました。その中に、中国の歌を歌ったり、五星紅旗を揚げた人もいました。
抗議しようとする民衆は警察に排除され、近くに行けなかったのに対し、歓迎した民衆は自由に歌って自分の意見を伝えて、抗議する民衆に喧嘩を売っても、警察は何も言わずに、ただ隣に見守っていました。

馬政府はすでに中国政府と変わりのない暴政となっています。
中国から来た官僚のために、中国から来た官僚との会議がうまくいくために、中国からきた官僚の顔色を伺うために、台湾のやっとちょっと手に入れた人権と民主主義と自由を犠牲しました。台湾の価値より、台湾人の意見より、馬政府は中国を選びました。

支持率わずか10%の馬政府は、もはや台湾人の代理人ではありません。ただし、国民党は強大な資源と権力を持ち、国際社会にもよく誤った意見を伝え、台湾人の主張を誤解させようとしましたが、一人の台湾人として、厳正の抗議を申し上げます。

台湾の未来は、台湾人が決めます。
中国でもなければ、国民党でもありません。
台湾は、台湾人の台湾である。

また、中国は政治的に、経済的に周りの国を侵略しようとするのも事実です。これは、台湾だけの危機ではありません。日本やほかの国には、馬政府のような政府がないこと、うらやましく思いますが、決して油断しではいけません。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
これからも、他国のことでありながら、他国だけのことではないと思っていただいたり、見守り続けてくれればうれしいです。

 
 
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