石垣市長選挙の公示日である2月23日、「石垣島に自衛隊基地を建設するため防衛省が3月までに配備候補地を決定する」と、琉球新報が報じた。その朝刊の一面記事に対し、同日午後小野寺防衛大臣がその報道内容を否定した。

石垣市長選挙は、保守系の現職中山義隆氏と革新系の前市長大濱長照氏の一騎打ちとなる。4年前の市長選では4期市長を務めた大濱氏が中山氏に敗れ、今回は復活をかけた戦いになる。

名護の市長選挙では、安倍政権が推進し仲井間知事が承認をした埋め立てに反対を訴える革新系の稲嶺市長が続投を果たし、県内の革新系は勢いを増している。

23日の琉球新報に続き、翌日の沖縄タイムスは同様の記事を掲載しながらも、その末尾には小野寺大臣が否定したことも付け加えるという安全策を講じた。そして前日の琉球新報の記事に対する両者へのインタビュー記事も併用するという巧妙さをみせた。

革新系の大濱氏は当然のように反対しながらも「市民の声を聞きたい」と余裕のコメントを返し、島の安全・防衛を重要視する保守系の中山氏は「正式な話でないとコメントできない」と慎重にこたえた。

この市長選でのタイミングで確証のない、いわゆる「飛ばし記事」を勢いよく報じ、基地問題を焦点にするかのような印象操作で中山氏に「基地問題」という踏み絵を踏ませたかたちだ。
なんとしても保守勢力を突き落としたい、沖縄を革新統一したい、そのためには「なりふり構わない某国の代弁者」となる地元メディアである。

テレビや新聞報道の嘘にうんざりしているのは、他ならぬ沖縄県民だ。もういいかげん沖縄の真実を覆い隠すのはやめてもらいたい。

 
石垣市長選挙公示日に琉球新報が報じた

琉球新報 2014年2月23日
陸自警備部隊、石垣に2候補地 防衛省が来月決定

防衛省は、南西諸島の防衛強化の一環として計画している陸上自衛隊の警備部隊の配備地として、石垣市の八島町新港地区と同市宮良のサッカーパーク「あかんま」の2カ所を候補に挙げ、最終調整に入っていることが22日までに分かった。複数の政府関係者が明らかにした。その他の配備先である宮古島市や鹿児島県の奄美大島も含め、3月までに配備候補地を決定し、地元自治体に理解を求めていく方針。

その翌日に沖縄タイムスが報じた

沖縄タイムス 2014年2月24日
陸自配備、石垣に候補地 大崎牧場周辺など

防衛省は南西地域の防衛強化のため新編を計画している陸上自衛隊の初動担任部隊の配備先として、石垣市の大崎牧場周辺やサッカーパークあかんまなど複数の候補地を検討していることが23日、分かった。3月中にも宮古島や奄美大島を含めた範囲から最終候補地を絞り込む。

小野寺五典防衛相は23日、南西地域への陸上自衛隊の部隊配備計画について「どの島にどういった部隊を置くかまだ決まっていない。(一部報道で)名前が挙がった(石垣島の)2カ所を候補地として決定する事実はない」と述べた。講演した岐阜市で記者団に答えた。

沖縄タイムス 2014年2月24日
石垣陸自配備:住民「とんでもない」

市長選の候補者2人も戸惑いの声を上げた。

現職の中山義隆氏(46)は「あかんまは子どもが楽しく利用しており、配備地としてはふさわしくない。正式な話でないとコメントしづらい」と述べた。

前市長の大浜長照氏(66)は「基地は日米共用でオスプレイが来る可能性もある。自然豊かな石垣に基地は必要ないと思うが市民の声を聞きたい」と語った。