アルジェリアにはこうした国内の有事に即応できる特殊部隊があった。強行的な手法に賛否があるようだが、日本の物差しでアフリカのテロ対策を安易に評価すべきではないだろう。
日本も主権国家として、あらゆる防衛対策を強化していくうえでテロや拉致に即応できる部隊を組織するべきだ。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年1月18日 通巻第3861号 を転載
アルジェリアのガス現場のテロリストを急襲したアルジェリア軍の正体
テロ対策のために設立された保安部隊と国防省の特殊旅団(127集団)か
世界中のメディアはアルジェリアの強硬な軍事作戦を非難している。
多くの人質が犠牲になったアルジェリアの強襲作戦はアルカィーダをなのるテロリストを殲滅したが、この強気の軍事作戦の実践は、アルジェリアの「特殊部隊」の参与いがいに考えられない。
「共和国保安部隊」と呼ばれる特殊チームは45作戦部隊から編成され、内務省の管轄である。
国防省からは独立した軍事組織である。
一方、アルジェリア国防軍にも「国家憲兵」「特殊介入部隊」のほか、特殊旅団(127集団と呼ばれる)が存在し、もし、軍主導であったとすれば、上記保安部隊との協同作戦も考えられる。
いずれにしても特殊部隊はフランス外人部隊の伝統的特殊訓練と血と犠牲を恐れない猛烈な戦闘力を誇り、かねてからイスラム原理主義のテロリストと対峙してきた。
このアルジェリア特殊部隊そのものの存在も謎のベールに包まれている。それゆえ、今後も作戦の全貌が明らかになることもないだろうが。
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