田母神俊雄公式ブログ 2013-07-26 を一部転載

アメリカ信仰から抜け出そう

国際政治の本質は富と資源の分捕り合戦である。第二次大戦までの世界では、軍事力を直接使って富や資源を分捕りに行った。しかし第二次大戦終了後は軍事力を直接使うことは困難になった。その代わりとして情報操作をして、ウソ、デマ、捏造の情報を流す、自分の国が得をする国際システムを作る、条約を結ぶなどにより、一応、相手国も合意をさせて、合法的に富や資源を分捕るということが日常的に行われている。現代は情報戦争の時代なのである。

我が国は、この情報戦に大変弱い。我が国には「うそつきは泥棒の始まり」という格言がある。日本人の間では、嘘をつくのは絶対に悪いことなのだ。しかし国際政治の場では嘘に騙される方が悪いのだ。国内ではお人よしでも十分に生きていけるが、国際社会ではお人よしは騙されるだけである。「日本列島は日本国民だけのものではない」と言った立派な総理大臣がいたが、これを言ったら日本列島を中国人にくれてやるといっているに等しい。

日本はどこの国から一番騙されているのか。それは多くの人が意外に思うかもしれないが、同盟国アメリカではないかと思う。

我が国は、日米安保 によって守られており、いざとなったらアメリカが守ってくれるのだと思っている日本国民は多い。しかし、残念ながら日米安保は我が国が攻撃を受けたときに、アメリカが自動的に戦争に参加して守ってくれることは決めていない。日本を守るか否かはアメリカの自由意志にまかされている。だからアメリカ大統領が日本を守ると決心して、米軍に行動を命じなければアメリカ軍は日本を守るために行動できない。そして大統領が決心をしても、二ヶ月経つとアメリカ議会の同意を必要とするのである。しからばアメリカ議会がいつでも日本を守ることを議決してくれるか。反日法案が年中成立するアメリカ議会にそれを期待することは無理である。だから日米安保はあくまでも抑止のためのものでしかない。抑止が破綻したときは機能しない確率が高いのである。しかし多くの日本国民はそのことを認識していない。

日本が第二次大戦までの世界で、アジア諸国を侵略し、多くの国に迷惑をかけたというのも、戦勝国アメリカによって情報操作され、日本国民に植え付けられた嘘である。日本はアジア諸国を侵略したのではなく、白人国家の植民地であったアジア諸国を解放したのだ。大東亜戦争は、アジア諸国の解放戦争だったのである。これは欧米の歴史学者の大勢が言っていることである。しかし、第二次大戦後の日本では、アメリカが原子爆弾を落として、東京大空襲をして無辜の日本国民を大量に殺害したことも忘れ、アメリカによって民主主義を与えられたと、多くの日本国民が思わされている。

侵略をし、残虐行為を働いたのはアメリカなど白人国家なのだ。

総理大臣になった村山富一なども全く騙されており、例の村山談話などを出すことになった。これがいまの日本をどれほど苦しめているのか分からない。そして日本国民の多くが日本を守ってくれると信じているアメリカは、日本が村山談話、河野談話を見直すことには、全力を持ってこれを阻止しようとしている。そして日本は自分の国を自分で守る体制をいつまでも作り上げることができない。当たり前のことであるが、アメリカが、心底、日本の発展を考えることなどあり得ない。アメリカはアメリカの国益でしか動かない。

アメリカが、世界の非核化に向けて動き出していると思わされている日本国民も多い。だから北朝鮮の核武装阻止に、六カ国協議などでアメリカは頑張っているというわけだ。アメリカは北朝鮮の核武装など恐れていない。北朝鮮がアメリカに向けて核ミサイルを発射するわけがない。それは北朝鮮の自滅を意味する。また核兵器は、元来先制攻撃用の兵器ではない。核戦争には勝者はなく、戦えば共倒れである。だから核武装国が他の核武装国に向けて先制攻撃をすることはあり得ない。核兵器は徹底的に防御用の兵器なのである。

アメリカが恐れているのは日本の核武装なのだ。日本が核武装をして国際社会で発言力を持つようになることがアメリカにとっては大変に困ることなのだ。北朝鮮の非核化に向けて議論をすればするほど、我が国が核武装をしたいと言い出すのは困難になる。先般は、アメリカで北朝鮮非核化のための日米韓の局長級協議が行われた。アメリカの狙いは北朝鮮の非核化ではない。この協議によって、日本が核武装を言い出すことがないようにすることを狙っている。

もうそろそろ日本国民も、アメリカ信仰から目覚めなければいけない。アメリカは、アメリカのためにだけ行動する。そしてアメリカは、よく間違いをする国だということを認識すべきである。


 
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