真悟の時事通信(平成25年7月27日号) を転載

海上自衛隊舞鶴地方隊訓練展示

昨日七月二十六日早朝、舞鶴に行き、海上自衛隊の洋上における訓練展示を見学した。

政治家が、沖縄、尖閣防衛、また、シーレーン防衛を訴えるなら、それを現場で現実に担う海軍が、如何に訓練を継続しているかを実感し、また、一人一人の隊員の素顔に接することも重要である。その為に舞鶴に行った。

乗船した船は、護衛艦「あしがら」(7750?)で、埠頭から見上げると星三つの旗が掲げられていたので総監が乗っていることが分かった。総監は井上力海将

参加艦艇や航空機は、二年前の東日本大震災の被災地沖に急行して初期の海からの救助・救援活動に対処しソマリヤ沖アデン湾での海賊対処行動を遂行してきた。また、最近、1200キロ東方の西太平洋に於いて、遭難者二人を高い波の中に着水して収容し、戻ってくるという世界が驚いた任務を果たした救難飛行艇USー2の着水と離陸も展示された。

潜水艦の展示というのは分かりにくい。何故なら、海の上に出ているのは潜望鏡の棒だけだ。どうするのかな、と観ていると「あしがら」と併走してちょっとだけクジラのような背中を海面に現した。しかし、彼ら潜水艦乗組員は、海中の密閉空間の中で確かに訓練に参加していた。

「ネイビーシールズ」とはこいつ等か、と思って観たのが、船外機で動く小型のゴムボートに乗り組み、高速で「あしがら」の横を後方から手を振りながら追い越していった面々である。アメリカ海軍に特殊部隊(ネイビーシールズ)があるが、我が海軍も「海の特殊部隊」を持っている。

展示の前後に、「あしがら」の艦内を案内してもらった。艦内は見事に整理整頓されている。そして、先任伍長に会えた。現在の階級で言えば海曹長である。先任伍長とは帝国海軍以来の名称で実質上の船の主である。彼によって船が動く。下士官室に入り込んでコーヒーを頂いた。

また、「酒保」と表示された部屋があった。「この中に酒があるのですか」と聞くと、ありませんとの答え。ただ、帝国海軍時代の呼び方だけが残っているとのこと。吉田満著「戦艦大和の最後」を読めば、戦艦大和最後の出撃の直前に、伝声管から「酒保ひらけ」の命令が聞こえてきて、士官室で最後の一杯をやった情景がでてくる。帝国海軍はイギリス海軍と同様に酒を積んでいた。しかし、戦後はアメリカ海軍の影響で「酒保」から酒が抜かれた。
帝国海軍に戻れ!

「あしかが」には三百名の隊員が乗り込んでいる。
二十歳代の若い水兵達は、皆引き締まった体で任務をこなし、明るく礼儀正しい。
もちろん座っている兵隊など一人もいない。彼らの一人と話をし、別れるとき、「いつ何時、東シナ海海域に急行せよ、という事態になるかもしれない、しっかりやってくれ、武運を祈る」と言って握手した。

尖閣周辺に侵入してくる「海監」とか「魚監」とかの支那の船を日本の海上保安庁は併走して克明に観察している。漏れ聞くところによると、支那の水兵は、甲板に座り込み昼寝したり飯を食ったりしているらしい。さぞかし艦内は汚いだろう。要するに、日本と支那は、日清戦争の昔から変わっていないということだ。日本の兵隊には船の上で座り込む者は一人もいないが、支那の兵隊は見ていないと座り込む。

全体としての感想。
整然たる艦隊運動の練度は、今でも日本海軍が世界一ではないか。
イージス艦の増強と強襲揚陸艦そして空母機動部隊が欲しい。

なお、展示の際、いっこうにぶっ放さない。
案内していただいた海軍大佐殿に、億単位の値段がするミサイルを撃ってくれとは言わないが、5インチ砲くらいは撃ってくれよとせっついたが、もちろんぶっ放すことはなかった。

 


 
リンク
西村真悟ホームページ
真悟の時事通信
西村塾
衆議院議員 西村真悟