今さらではあるが、チャイナリスクの高さは計り知れない。日系企業とその関係者、在中日本人は一日も早く脱出することだ。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成24(2012)年9月21日 通巻第3762号 を転載

青島の「パナソニック」と「イオン」。襲撃された跡地を「反日暴動記念館」に
そして世界遺産に登録運動を展開し、パナソニックは撤退を声明したらどうだろう?

青島の二大親中企業「イオン」と「パナソニック」が襲われたのだ。黒ずくめにサングラス、反日デモの場所から遠い工場へ乗り込んで、さっと放火して消えた。
訓練されたプロの仕業ということまでは分かっているが、彼らは軍特殊工作班か国家公安部か、それとも武装人民警察か?

繰り返さないがパナソニックもイオンも、日中友好の井戸を掘った代表的な日本企業であり、それが襲撃を受けるということは現在の胡錦涛政権のメンツを潰し、赤恥を掻かせることとなる。

どう考えてもアンチ胡錦涛派の仕業、背後に熾烈な権力闘争がある。
薄煕来失脚に連座して、解任を噂された周永康(政治局常務委員、序列9位)は、いまも失脚を免れて健在、かれが公安系のボスである。周は江沢民につながり、軍とも関係がよく、そして胡錦涛、温家宝に恨みを抱いている。

可能なら、襲われた現場をそのまま保存し、「反日暴動記念館」として遺すといい。そして損害賠償を訴えるとともに、これを世界遺産登録すると騒ぐと良いのではないか。
パナソニックは中国工場のメリットをすでになくしているはずであり、これを絶好の口実として、撤退の検討をするべきではないか。

 
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