真悟の時事通信 No.764 平成24年 8月17日(金) を転載
レジャブ(既視感)、三国干渉後の東アジア
現在の我が国を取り巻く東アジアの諸国の動きを見ていると、なるほど、かつてもそうであったのか、というレジャブ(既視感)に囚われる。
その「かつて」とは、明治二十八年(一八九五年)の三国干渉後の東アジアの情勢である。
この時と今を比べれば、我が国を取り巻く諸国の癖、もっと率直に言うと、これら諸国の、ずるさ、どん欲さ、破廉恥、火事場泥棒根性は変わっていない。
変わっているのは、日本人がかつての「勇敢な戦士」から現在の「卑屈な商人」になっていることである。
明治二十八年(一八九五年)、我が国は日清戦争に勝利して清国から遼東半島の割譲を受けた。
それに対して、ロシア、フランスそしてドイツは、遼東半島を「東亜の平和のため」に清国に返還せよと迫ってきた(三国干渉)。
我が国は、日清戦争直後の国力を冷静に勘案し、欧州の三強国に対抗するのは困難と判断し、「他作なかりしを信ぜむと欲す」と悔しさをこらえてこの三国干渉を受け入れ、遼東半島を清国に返還した。
そこで、この三国干渉後の東アジアは、どうなったか。
支那と朝鮮は、三国に屈服した日本を軽く見て(侮日)、強いロシアに付く(朝鮮の事大主義)。
そして、ロシアは、「東亜の平和のため」として日本を追い出した遼東半島を軍事力によって自ら手に入れた。
その結果、日本は遼東半島と朝鮮半島に進出したロシアと戦わざるを得ない事態に陥っていく。
しかし、当時の日本国民は、臥薪嘗胆を合い言葉にして歯を食いしばり、いずれ日本を滅ぼそうとして立ちはだかってくるロシアとの戦争に備えた。
さて、現在、民主党政権は、世界が認めるルーピー(アホ)の鳩山、反原発のアホ菅そして消費税ドジョウ野田と続く三代の総理大臣で、外交を崩壊させた。つまり、三国干渉受諾と同じ対外発信をした。
それゆえ、北から、ロシア、南北ひっくるめた朝鮮そして支那の、裏で暗黙の了解があるかのような動きをみていただきたい。
その暗黙の了解とは百十七年前と同じ「侮日」である。
ロシアはメドべージェフ大統領(今首相)が我が国の北方領土に不法入国し、南の朝鮮は大統領が我が国の竹島に侵入し、北の朝鮮は北が拉致した日本人のことを封印して大東亜戦争後の日本人の遺骨収集で我が国から金を出させようとしている。そして、支那は、ご存じの通り、既に尖閣周辺海域に漁業監視船という「公船」を派遣して「日本の実効支配を打破する」と宣言し、この度は、香港からの船を尖閣領海に入れて活動家数名(もちろん、共産党によって造られた活動家)を魚釣島に侵入させた。
これらの周辺各国の活動に対して、民主党政権は為す術がない。ロシアには何もできず。朝鮮には口で抗議し、支那には、菅が屈服して逮捕した船長を釈放して国民に屈辱を与え、この度は野田が、不法侵入者を裁判にもかけずに放免して事なきを得ようとしている。つまり、菅と野田は同じだ。
以上は、これら東亜三国による「侮日」に基づく、我が領土の簒奪と対処不能の日本政府の姿だ。
これを招いたのは、鳩山、菅そして野田の無能、そして、彼らの所属する民主党の中・朝への傀儡性だ。
そこで、歴史の教訓。
それは、彼ら東亜三国の「侮日」の後には必ず我が国の危機がくるということだ。
事実、三国干渉から十年がたった明治三十七年、我が国を滅ぼそうと軍事力を東アジアに送り込んできたロシアと我が国は戦うこととなった。
その時、我が国の政府と国民は、将来の危機を予想して臥薪嘗胆の思いで軍備を充実させて将来の危機克服に備えた。
では、現在の我が国政府は何をしているのか。
現在は、「生活が第一」を標榜して、「税と社会保障の一体的改革」とやらに励んでいる。
百十年前は「臥薪嘗胆」、現在は「生活第一」だ。
この絶望的な落差!この差は、国家の運命を分ける差である。
臥薪嘗胆は、国家の存立をかけた必死の国民の努力を表現したものである。国家が存立しなければ、国民の生活も無いからだ。
しかし、現在は、国家無き生活第一。つまり幻想だ。
国家が滅ぼされて、国民の生活第一などあり得るはずがないのに。これが、同じ民族かと我が身を疑うほど、民主党政権は国家を堕落させたのだ。
その象徴が、「国民の生活が第一」のスローガンだ。
よって、我が国が三国干渉後の危機を、明治のように乗り越えられるか否かは、民主党が「生活第一」で象徴的に表している亡国的な戦後体制を、衆議院総選挙で打倒し、一年以内に、石原慎太郎氏と平沼赳夫氏による
「真の保守政権」を樹立できるか否かにかかっている。
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