真悟の時事通信 (平成24年7月22日号) を転載

連想されるテロリストの作戦

中東の過激派テロリストとの闘争で、例えば、イスラエルがテロリストの本拠地をミサイルで報復攻撃するとする。その時、そのミサイルで破壊された現場の映像が世界に広く報道され、死傷者の多くが子どもであることが強調されるケースが多い。そして、その報道を観た人たちは、イスラエルは何と残酷なことをし、パレスティナ人は何と虐げられていることか、と思う。
このようにして、反イスラエル感情が喚起される。

では、テロリストが小学校を本拠地として、そこから執拗にイスラエルに向けてロケット砲を打ち込んでいて、イスラエルの反撃を促していたとしたらどうであろうか。

この時、この小学校に子どもを通わせている親が、テロリストがロケット砲を学校に持ち込んでイスラエルに向けて発射するなら、いつかはイスラエルの報復攻撃を受ける、従って、子どもを安全な別の学校に通わせようとした。しかし、武器を持つテロリストは、親を脅して、子どもを別の学校に通わせずにこの学校に毎日通うよう強制していた。つまり、子どもを人質にしていた。
そして、ついにイスラエルが報復攻撃をして小学校の校舎を破壊し、そこにいた学童が死亡した。

このような場合、冷酷で非情で残虐なのは、イスラエルなのかテロリストなのか。そう単純に決められない。イスラエルの報復攻撃によって、小学校が破壊され子どもが殺され、親が泣き叫ぶ映像を観るだけで、かつてのように、イスラエルが悪いと直ちに言えなくなることは確かだ。

テロリストは、子どもを楯として利用し、反撃を受ければ、楯となって死亡した子どもと泣き叫ぶ親を利用して、反イスラエル感情を喚起するという作戦意図を持って行動しているので、子どもの死亡はテロリストの作戦通りの結果である。

私は、テロリストの冷酷非情さを強く非難し、その意図通りに感情操作されてはならんと思う。それは残酷なテロリストの仕組んだ罠に墜ちることだ。

さて、私は、このイスラエルの西に隣接するガザ地区におけるテロリストの手口を書いたのだが、どこからこれを連想したのか。それは、沖縄の普天間基地反対闘争からだ。

普天間基地のフェンスに校庭が隣接する普天間第二小学校を基地から離れたところに移転する計画は、かつて二回あったが、二回とも、移転計画が実施されようとすると、「小学校の移転は基地を固定化することになる」という基地反対闘争側の運動で潰されている。

基地反対闘争の論理は、次の通り。
基地と小学校をくっつけておけば、常に騒音の下で授業を受ける小学校の様子をマスコミで放映できて、だからこのような騒音をまき散らす基地は出て行け、とアピールできる。そして、もし基地のヘリが学校に墜落すれば、今度こそ決定的に基地出て行けという世論を喚起できる。いずれにしても、基地と小学校をセットにしておくことが基地反対闘争継続に必要だ。
その為には、学童は、常に騒音の下で授業を受けねばならない。
ここに、ガザ地区のテロリストと同じ思考回路があり、普天間基地反対闘争からガザ地区のテロリストを連想した所以がある。

また、普天間基地は既に日米両国政府で県内移転が合意され、このために沖縄県と市は驚くべき多額の予算を国から先取りしている。しかし、民主党政権になって馬鹿が総理をしたことを口実に、今また、移転反対闘争の盛り上がりである。さらに、オスプレイ配備反対が加わる。

つまりこれらの反対闘争は、このまま、小学校の隣で、かつ市街地の真ん中に基地を固定化させ、新鋭のオスプレイ配備を阻止して、既に生産中止の老朽化したヘリを飛ばし続け、その下に小学校の子ども達を毎日集めるようと仕向けている。

この普天間基地反対を叫ぶ者の背後にはガザ地区のテロリストと同じ、冷酷非情の論理がある。

これは既に、「生活第一」にかこつけた我が国の国防体制崩壊運動の次元であり、冷戦下の反日・反米闘争という」利敵運動そのものである。従って、この背後にいる中共がヨダレを垂らして喜んでいる。米ソの冷戦は終わっても、今我が国は中共から冷戦を仕掛けられているのだと意識すべきだ。

日本国民が一刻も速く、今の風潮の裏にあるテロリストと同じ冷酷な敵の論理を見抜き、
「国防体制なき生活第一はあり得ない」
「国防は最大の福祉である」
「一身独立して国家独立す」
「国家興隆するときは理想を以て生活とし、国家衰退するときは生活を以て理想とする」
が真実であるということを深く自覚して欲しい。

 
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