アメリカのオバマ政権が再選をかけて中国の協力を得るために、この秋の国慶節の直前にも行われるという「中国の尖閣諸島実行支配計画」を黙認するのではないかと言われているようだ。とすれば、石原知事による尖閣諸島購入発言は、ワシントンというその場所、時期共に最高のタイミングであったといえる。加えて日本国内では石原新党への期待が高まっている。この政治的嗅覚は神がかりだ。27日から始めた「 東京都尖閣諸島寄附金 」は当日から大きな反響を呼んでいる。
米国が日本に対してかなり厳しい姿勢を打ち出した米軍再編計画の内容から、これら一連の流れを読み込んだ山村明義さんのコラムは読みごたえがある。
発表された米軍再編計画の共同文書の影には、尖閣諸島問題がある!
前回、日米再編計画の裏話について触れたが、「4億ドル」の要求額の違いに似た話を報道したのは、日本では産経新聞だけ(具体的な金額については触れていない)だ。
結局、日米両政府は27日の野田首相の訪米直前になって、日本が折れるかたちで、「共同文書」を発表した。決着の内容が重要だが、このポイントは2点だ。まず、経済的な側面では、日本側が米側から見て貿易不均衡となっている日米貿易摩擦を考慮すること、そしてグアム移転費の日本側は負担は、「インフレ率を加味して31億ドルとすること」である。
この「インフレ率を加味して」という部分はかなりおかしい。アメリカ国内経済は現在、それほどインフレ率が上がっているわけではなく、このブログで指摘した通り、米議会側が日本政府に強気に出てきたために、結局大義名分をつけて中間の「2億ドル」に落とし込んだ、というのが真相であろう。
その理由は、オバマ民主党政権は国内の軍事費の削減に努めてきたことが上げられる。今回の4億ドルの誤差は、あくまで日本に対する金額つり上げ交渉のあらわれである。
それだけ米国は日本に対して厳しい姿勢を見せているということは忘れてはならない事実だ。双方が予算編成で苦しむ中、この決着は、今後一体どんな展開になるのだろうか。
折しも石原慎太郎都知事が、アメリカで尖閣諸島の購入を発表したことが話題になっているが、実はこのことが関係してくる。つまり、この秋の国慶節の直前にも行われるという中国の尖閣諸島実行支配計画が、仮に行われたとしよう。その場合、アメリカのオバマ民主党政権は、大統領選を迎えており、中国の手を借りなければ当選の見込みがなくなる。そこでいま、アメリカ側が「中国の尖閣諸島実行支配を暗黙の了解で認めるのではないか」という話が、アメリカの日本ロビイストの間でかなりの信憑性をもって持ち上がっているというのだ。つまり、尖閣諸島はいまも相当危ない状況に置かれ、石原都知事は絶妙のタイミングで購入計画を出したことになるのだ。石原氏を批判するマスメディアが多い中、この先見性ある対中国外交術は瞠目に値する。
そろそろ日本のメディアは、立場はどうあれ、日本の国益を考える政治家に対し、「右翼」だの「保守派」だのという意味のない批判を、日本人は止めなければならない時期にさしかかっているのだ。
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