沖縄県内各地に配備されたMDを巡って、ほんとに迎撃できるのか、失敗した場合の損害金額は、などと言い出す者たちがいるが、国を守り国民を守るためのものだから予算はいくらかかってもかまわないではないか。重要なことは、その覚悟を態度で示すことだ。迎撃に失敗したら、原因を追究しさらに改良を加えていけばいいだけだ。何もミサイル(点)での迎撃にこだわることはなく、プラズマ光線(線)をスクランブル使用してもいいではないか。予算はいくらかかってもかまわないのだ。

専守防衛とは、本来は策源地を叩くことが最大のMDではないか、という桜林美佐さんの正論です。

桜林美佐の新・国防日記 2012年04月08日 を転載

サクラサク!

今年も東京に桜の季節が到来!先週は、軍馬・軍犬・軍鳩慰霊祭に参加しました。その様子などについては、JBプレス『戦場に散華した動物たち』 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34900 に書いています。

そんな中、いよいよ北朝鮮による「衛星」発射も近そうです。よく聞かれるのが「MD(ミサイルディフェンス)は当たるの?」という質問。

そもそも一般論からしても、「100%当たる」などというシロモノは世の中にないわけです。しかしながら、今、現在、日本がとり得る抑止のツールとしては有効と答えています。

核を保有している国に対しては核が、ミサイルを持っている相手には同じようにミサイルが抑止となると考えられていますが、日本の場合は制約があるので軍事的にベストな方策はとらず、次善の策としてのMDと捉えるべきでしょう。

それにしても「専守防衛」とは、国民が危険な目に遭うことを前提としているようなもので、本来は策源地を叩くことが最大のMDではないかと思います。

それから、よく感じていたのは、MDの迎撃試験をして仮に失敗したら日本の場合は大騒ぎになる。でも、試験で失敗することに、こんなに厳しい国も珍しく、そのへんの寛容さが求められるような気もします。

とにかく、当たるか当たらないかとか、1発いくらかかるとか、どこにMDが展開されるとか・・・、そんな枝葉末節な断片情報に惑わされず、問題の本質を追求し、たんなるお祭り騒ぎに終わってしまわないよう注意する必要がありそうです。

 


桜林 美佐 Misa Sakurabayashi
1970年生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作した後、ジャーナリストに。
国防問題などを中心に取材・執筆。
<主な著書>
奇跡の船「宗谷」-昭和を走り続けた海の守り神
海をひらく- 知られざる掃海部隊』
誰も語らなかった防衛産業
日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災

オフィシャルサイト: 桜林美佐
ブログ: 桜林美佐の新・国防日記