8月15日夕方、香港の反日団体メンバー14人が魚釣島に上陸し、現場にいた県警や海上保安官、入管職員ら約30人によって逮捕された。海上保安官は「まさか突っ込んでくるとは思わなかった」という。

わざわざ上陸宣言までされて、準備を整えておきながら上陸されてしまった。領海に侵入した瞬間に逮捕または撃沈するのが防衛というものだ。しかも、日本国内では多くの国民が英霊に祈りをささげている日だ。この厳粛な日に生き恥を世界に晒してしまった。

国内法に従って厳正に対処しろという抗議が殺到しているが、実はそれは当然のことなのだ。その当然のことをしない政府だからこそ、国民はあえて声高に言うのだ。

地元石垣市での反応は当然ながら厳しいものだ。「基地反対が県民の総意である」などというのが嘘八百であることはすでに明白だ。自らの島の生活と安全を守るために、一日も早い防衛体制の強化を望んでいるのが、正しい沖縄県民の声である。

これは単なる領海侵犯ではなく、政治的意図をもった侵略行為だ。再三にわたる行為に対し、政府は報復を含めて対応すべきだ。国内外の世論がどうであれ、国家主権を守るために強権を発するのが政治だ。

八重山日報 2012年8月16日 を転載

上陸阻止失敗に衝撃 地元「逮捕者は裁判に」 
市長、厳正対処求める

「上陸を阻止できなかったのは情けない」―。香港の反日団体メンバーが尖閣諸島(石垣市登野城)の魚釣島に上陸を果たしたことで、地元には衝撃が走った。2010年の中国漁船衝突事件の悪夢がよみがえり、「(当時のように)処分保留のまま釈放では困る」(中山義隆市長)などと、政府に毅然とした対応を要求する声が相次いだ。

テレビの報道で事態を知ったという中山市長は「海保が巡視船で見張っていると聞いたので、上陸はできないと思っていたが…」と、上陸阻止の失敗に当惑。「(上陸を許したことは)残念だが、政府には国内法に沿って厳正に対処してもらいたい」と要望した。

香港当局が反日団体の尖閣上陸を阻止しなかったことについては「韓国の大統領が竹島に上陸し、日本政府が混乱している状況を見て、隙を突いたのではないか」と推測。東京都が尖閣購入計画を進めていることとの関連については否定的な考えを示した。

八重山漁協の上原亀一組合長は、逮捕した反日団体メンバーの処遇について「しっかりと国内法で処罰するべき。(漁船衝突事件の)船長のように、チャーター便で国に帰し、英雄扱いでは困る」と釘を刺した。

漁業者の名嘉秀三さん(49)は「上陸を組織できなかったのは情けない。尖閣諸島は間違いなく日本の領土。自分たちで率先して、周辺で漁をすることも考えている」と危機感を募らせた。

尖閣諸島への上陸を繰り返すことで、日本の領有権をアピールしてきた市議の仲間均氏は「領土、領海警備の甘さが露呈された。もっと警備を強化するべきだ」と反日団体メンバーの上陸阻止失敗を批判。逮捕者に対しては「裁判にもっていくべきだ。そうしないと領土、領海は守れない」と指摘した。

 
関連記事
悔しがる地元・石垣市長「中国に帰さず裁いて」 海保、県警は慌ただしく
中国、即時無条件釈放を要求
「粛々と裁判に」石原知事 「首相は生命賭して尖閣に行ったらいい」
「予想外」だった尖閣上陸 海保「まさか突っ込んでくるとは…」