「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)1月7日(金曜日)通巻3183号を転載
大胆不敵のチャイナ、今度はスペイン国債を60億ユーロ(6500億円)
李克強副首相がマドリッド訪問、サバテロ首相と会見
中国の外貨準備高は2兆6480億ドル。
分散投資に踏み切り、日本国債を買い始めたかと思いきや、財政危機に陥ったギリシア国債を30億ドル購入し、EU諸国は中国の大胆不敵な投資行為を複雑な心境で目撃した。
1月5日、李克強副首相はスペインを訪問した。中国人民銀行副総裁をともない、「スペインと中国は古い友人、最大の友誼を」云々と共同会見した。
翌日、北京は財政危機の最中にあるスペイン国債を60億ユーロ購入すると発表した。外貨準備をこのように「政治」と「外交」の武器化している。
英フィナンシャルタイムズが一面トップで報道(7日付け)、米ウォールストリートジャーナル(同日)も大きく報道し「これは中国の分散投資の一環」と評した。
世界銀行は人民元建て債権を初めて発行すると発表したが、これも人民元の国際的地位の躍進を象徴する。
すでにADB(アジア開発銀行)が人民元建て債権を発行したほか、香港では人民元建ての中国の国債が売られている。
軍事面で空母、ステルス戦闘機製造など「大躍進」の中国だが、金融面でも主要なプレイヤー入りしている事実を等閑視すべきではないだろう。
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