地震と津波は一瞬にして数万人の命を奪い膨大な被害をもたらした。大混乱の中で政府与野党の攻防や、海外メディアのヒステリアスな報道により絶望感や孤立感が漂った日本だが、一方では米国や台湾から幅広い支援をうけ、今まで以上の強い絆を感じることもあった。

震災から一カ月過ぎ余震が絶えない状況だが、そうしたなかで復興の成果が見え始めてきた。東北地方という土地柄か、困難に当たって互いが助け合い励ましあうという自助力の強い地域性が窺える。また、大自然の脅威を前にして、日本全体が団結したといえるでしょう。

こうした中で、前進的な明るいニュースも出てくるようになった。今必要なのはこうした話題だ。いくつか転載する

テレ朝

【地震】仙台空港復旧作業に携わった米大佐が会見

仙台空港の復旧作業に携わった米軍の大佐が電話での会見に応じ、地元の住民らの努力が早期の再開につながったとたたえました。

米空軍、ロバート・トス大佐:「支援活動を本格化させるため、空港の再開は最優先すべきことだった」
米空軍のトス大佐によると、当初、日本側は仙台空港はしばらく使用できないという認識でした。しかし、日米が共同で復旧計画に着手すると地元住民や自衛隊などが昼夜を問わず作業にあたり、「予想以上に早く再開にこぎつけた」と述べました。また、被災者が浜辺にローマ字で「ARIGATO」と書いていたことを紹介し、「被災しながら感謝の気持ちを忘れない皆さんに逆に感謝したい」と話しました。

47NEWS > 共同ニュース

仙台港からトヨタ車出荷震災後初、300台

仙台港(仙台市)で16日、トヨタ自動車のグループ企業である関東自動車工業の岩手工場(岩手県)で生産された約300台が大型貨物船に積み込まれ、名古屋へ向けて出港した。仙台港から一般貨物の出荷は被災後初めて。物流経路の復興を進めてきた宮城県は、企業の生産活動の本格再開に期待を寄せている。

午前中、被災前に生産された乗用車が次々と船に積み込まれた。県港湾課によると、東北地方にはトヨタのグループ企業で1月に操業したセントラル自動車の宮城工場(宮城県)もあり、仙台港は自動車出荷の拠点。

橋浦高・県港湾課長補佐は「物流の態勢は整っている。企業は積極的に活動してほしい」と話した。

河北新報社

仙台市ガス、復旧きょうにも完了当初見通しより早まる

仙台市ガス局の都市ガス復旧作業は16日、市東部沿岸地区など震災で甚大な被害を受けた地域を除き、完了する。3月23日から始まった開栓作業には、全国のガス事業者から最も多いときで約4000人の応援隊が駆け付けて協力。当初の見通しより早い3週間余りで供給再開にこぎ着けた。
市ガス局によると、15日午後5時現在の復旧率は95.5%で、復旧対象残数は1万4001戸まで減少した。1日当たりの開栓数は2万戸前後で推移しており、16日の開栓作業でおおむね完了する見通しが立った。
奥山恵美子市長は15日の災害対策本部会議で、全国の事業者の協力に「厳しい環境の中で長期間、作業に当たってもらった」と感謝した。
市は17日、応援隊の労をねぎらうセレモニーを行い、隊を解散。東部沿岸地区など作業が困難な地域や、留守宅で開栓できなかった住宅は市ガス局職員が引き続き、修繕・開栓作業に当たる。

四国新聞社

移住に安心/小豆島で新生活、福島の7人家族

福島第1原発事故の影響で、町の一部が「計画的避難区域」に指定された福島県川俣町から、7人家族が香川県小豆島町に移住、15日から新たな生活を始めた。震災被災者の小豆島への移住・避難は初めて。家族は「親族や友人らが福島に残る中、複雑な思いもあったが、島に来て震災以来初めてゆっくり深呼吸できた」とほっとした様子で心境を語った。

移住したのは伊波健一さん(47)と妻の寿子さん(41)、2~10歳の5人の子どもたち。健一さんは東京都出身。田舎暮らしに憧れ、川俣町に15年ほど前に移住し、実家が同町で牧場を営む寿子さんと結婚、スペインの田舎暮らしが体験できるグリーンツーリズムなどを行っていた。

大震災以降、生活は一変した。幸い、津波の被害はなく、家族も全員無事だったが、想定外の目に見えない「放射能」との戦いが始まった。自宅から一歩も外に出られない生活が続いた。

「子どもたちを安全に育てられる環境に連れていきたい」との思いから、「瀬戸内で温暖な気候の小豆島はどうか」とネットで検索した。3月26日に住民からの無償住宅(1~3年)の提供を紹介する小豆島町のサイトに気付き、塩田町長に“SOSメール”。伊波さん一家は5日夜に福島を離れた。

伊波さんは小豆島町の施設に滞在しながら、町職員の案内で町内の提供住宅を見て回り、大家さんの「にぎやかにしていいよ」との優しい言葉で、一軒家を決めた。長女の琴音ちゃん(10)ら3人も苗羽小学校に転入することになった。

「みんな親切で温かく受け入れてくれ、涙が出るほどうれしかった。今までの仕事や震災の経験を生かし少しでも恩返ししたい」と健一さん。のどかな春風が吹く島で、一家の笑顔がやっと広がった。

47NEWS > 共同ニュース

ブラジル外相、輸入規制の撤廃も「今後の推移見て」

松本剛明外相は16日午後、ブラジルのパトリオタ外相と都内の飯倉公館で会談した。福島第1原発事故を受けた各国の日本産食品への輸入規制強化をめぐり、科学的根拠に基づく冷静な対応を要請。パトリオタ氏は会談後の共同記者会見で「今後の推移によっては撤廃を考えたい」と述べた。松本氏は東日本大震災での支援に謝意を表明した。

パトリオタ氏はまた、震災犠牲者に弔意を示し、復興支援を通じて日本との関係を強化する考えを伝えた。

ブラジルは日本とともに国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指しており、国連改革の進め方についても意見交換したとみられる。

外務省によると、日本に住むブラジル人は約27万人。ブラジル国内では、サッカー元日本代表監督のジーコ氏の呼び掛けによるチャリティー試合実施など、積極的な支援活動が展開されている。