このところ顕著になった習近平体制による対日政策の強行振りは、過去にないほどの勢いを増している。1ヶ月以上続く尖閣諸島への領海侵犯は連日記録更新、商船三井の大型船差し押さえ、旧日本軍による強制連行など、大小数えれば両手では足りない。だが、これはそのまま国内事情の深刻さを表している。

江沢民派との熾烈な政争、ウイグル人だけでなく他の民族も相次ぎ集団で国外脱出、共産党幹部を含む富裕層は親族と財産を海外に持ち出し逃亡準備を整えるという、政情不安で人もお金も国外流出が耐えない状態だ。もはや統治能力はないと見てよい。

台湾では、民主主義を逸脱した馬英九政権に反して学生たちが立法院を占拠し、自らの国を守るために戦った。その学生を中心とした50万人の成熟した市民活動は香港や中国内の民主活動家に強い刺激を与えただろう。実はこの台湾の学生運動の中には香港や中国からの支援者が多く混じっていた。

香港の民主活動からによる「天安門記念館」の設立は、自らの目標を定めた決意表明だ。
いまからでも遅くはない。中共が崩壊した後の大陸とどう接していくか、あらゆるシュミレーションを心得ておくべきだ。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年4月22日通巻第4212号 を転載

香港の民主活動家らが「天安門記念館」をオープン
六月四日「天安門事件25周年」には世界各地で中国抗議デモと集会

香港には尖閣問題で反日行為を繰り返す過激派もいるが、れっきとした反政府愛国団体もある。
ことしは1989年6月4日の天安門事件から25周年となる。
4月20日、「香港市民愛国民主運動支援連合会」は「天安門事件記念館」を香港市内の繁華街にある雑居ビルに堂々とオープンした。市民有志からあつまったカンパが一億三千万円(976万香港ドル)に達した。

スペインでは江沢民(元総書記)に裁判所から正式の逮捕状がでたが、これもスペイン市民の地道な運動が実った。あの暴政、人権無視は許せないと海外の中国人が立ち上がったのだ。

ニューヨークでは民主活動家、人権団体代表など著名な民主活動家が集合して記者会見し、2014年の「天安門事件25周年」を記念するための諸活動計画が発表された。このイベントのため多彩な民主活動家、団体が超党派で「天下園城」を結成し、まずは世界各地の中国大使館前でハンガー・ストライキなどの示威運動を始めた。
同時にネット拠点を設立し、ネット自由論壇で多彩な議論を展開する一方で、6月4日には全世界の中国大使館ならびに領事館前に集まり、民主化、人権の尊重などを訴える。

NYでの新聞記者会見によれば、この超党派新組織に共鳴している人は8964名に達しているとされ、なかには胡平、王丹らが含まれている。

日本でも民主活動家が中心になって、チベット、モンゴル、ウィグルの代表に台湾独立運動からも代表が参加し、さらに領海問題で中国と揉めているフィリピンとベトナムからも代表者が加わった「天安門事件二十五周年東京集会」が開催されることが決まった。
同日はほかにも中国大使館への抗議デモや集会が予定されている。

東京でも「天安門事件25周年東京集会」開催が決定

「天安門事件25周年東京集会」の概要

プログラム
石平が基調報告。国会議員多数が出席予定
発言は中国民主活動家、ペマ・ギャルポ(チベット)、イリハム・マハムティ(ウィグル)、オルホルド・ダイチン(内蒙古)、王明理(台湾独立建国連盟日本本部委員長)、鳴霞(旧満州)ほかフィリピン代表、ベトナム代表、ミャンマー代表。宮崎正弘、水島総らも発言予定です。
また「賛同者」として著名文化人、教授、ジャーナリスト、作家ら百名。

詳 細
日時 6月4日午後6時~8時15分
会場 アルカディア市ヶ谷 三階大ホール「富士」
参加費 1,000円(外国人留学生と学生は無料。ID提示)
主催 「天安門事件25周年 東京集会実行委員会」
共催 「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本!全国行動委員会」(田母神俊雄代表)
「国防問題研究会」(玉川博巳 代表幹事)
後援 世界ウィグル会議、チベット百人委員会、モンゴル自由連盟党、台湾独立建国連盟日本本部、日ベトナム島嶼会議、日比同準備会
協賛 日本文化チャンネル桜、日本李登輝友の会、史実を世界に発信する会
ほか多数の団体と交渉中です

(現在、最終的な調整中です。詳細は追って発表されます)

 


 

宮崎正弘

リンク
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
宮崎正弘のホームページ

<宮崎正弘の最新刊>


世界から嫌われる中国と韓国 感謝される日本