安倍総理が靖国参拝を見送ったのは残念でしかたないが、勢い任せを自粛したとみるべきか。安倍政権を長期政権と見定めて、粘り強く支持していくことが大局的に必要だ。

田母神俊雄オフィシャルブログ を転載

安倍内閣を支持しよう

安倍総理は8月15日に靖国参拝をしなかった。安倍総理を支持する保守派の日本国民にとっては極めて残念なことであった。しかし、今ここで安倍総理が靖国参拝をしたら何が起こるか。恐らく反日マスコミが中韓などの立場に立って騒ぎ出し、我が国の反日政治家を巻き込み、安倍内閣倒閣運動が起きる可能性が大なのだ。自民党の支持率が急落し、安倍政権がレイムダック状態に陥る危険があるのだ。それこそ日本を取り戻すことは不可能になってしまう。

橋下日本維新の会共同代表が、慰安婦問題について正しいことを言ったが、その後のマスコミの大騒ぎにより、日本維新の会の支持率を急落させ、先の参院選挙では、今年の春頃の勢いは全くそがれてしまった事を思い出さなければいけない。維新の会がもし昨年12月の衆院選と同じほどの勢いがあれば、憲法改正の動きをもっと加速させることが出来たかもしれない。もちろん安倍総理と橋下代表には支持基盤の強さに大きな違いがあるから、靖国参拝によって極端な支持率低下はないという意見もあるが、安倍総理としては、今回は苦渋の決断をしたということであろう。

元々、安倍総理は、「第一次安倍内閣で靖国参拝が出来なかったことは痛恨の極み」と言っていたので、時機を見て靖国参拝をすることを心に秘めている。今は、私たちは静かに安倍総理の行動を支持することが大切なのではないかと思う。実はアメリカも、日本が自立した国になることは望んでいない。自衛隊の戦力発揮は、残念ながら現状ではアメリカの掌中にある。自衛隊はアメリカの暗号、敵味方識別装置、GPSを使っている。アメリカが反対することは実施できないのが今の日本である。これを克服できるのは、日本国民による磐石の安倍内閣支持態勢が出来上がったときだけである。今は、じっと我慢するべきところなのだ。

同日の戦没者追悼式で、安倍総理は、近年の歴代首相が言葉にしてきた「アジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことを反省する」という自虐的な言葉を使わなかった。「歴史に対して謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ、希望に満ちた国の未来を切り拓いてまいります」こう語った安倍総理には、日本という国に対する誇りと自信がある。歴代首相の誰もが成し得なかった自立国家への歩みは、安倍総理によって着実に進んでいる。

安倍内閣が倒れたら、安倍さんに代わる総理はいない。

安倍総理と同じ国家観、歴史観を持つ政治家はいても、彼らはすぐに総理になれる立ち位置にはいない。総理に近い立ち位置にいる石破茂氏は、靖国神社に一度も参拝したことがない。これからも行かないと宣言している。昨年12月の自民党総裁選に出た谷垣禎一氏、石原伸晃氏なども国家観、歴史観ではやや左翼に近い。自民党政権であればよいというわけではない。日本を取り戻すには安倍内閣でなければ駄目なのだ。


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