沖縄対策本部 2012年06月27日 を転載

中国網の尹卓少将発言報道から、人民解放軍の謀略を読み解く

6月26日付の中国網日本語版に尹卓少将が「中国は尖閣諸島を保護する十分な力がある。」と発言したことが報道されていました。そこには、国際社会から批判されないような方法で尖閣諸島を奪いとろうとする巧妙な謀略が見えてきます。全文を転載いたしましたので、まずはお読みください。

<尹卓少将:中国は釣魚島と南中国海を保護する十分な軍事力がある>
(中国網日本語版発信時間: 2012-06-26 10:17:58)
http://goo.gl/fRMk0

有名な軍事アナリスト、海軍情報化専門家委員会主任の尹卓少将は21日、中国周辺海域の安全をテーマとし、インターネットを通じネットユーザーと交流を行った。中国の軍事力について話が及ぶと、尹少将は「中国は釣魚島(日本名・尖閣諸島)と南中国海を保護する十分な軍事力がある」と述べた。
 
尹少将は、「中国の世界における総合的な軍事能力については、安心してもらいたい。米国に次ぐ世界第2の軍事大国は依然としてロシアであるが、中国は決して非常に弱い国家ではない。一部の専門家は、中国の軍事力は世界5位にも入らないとしているが、これには同意できない。中国の現在の軍事力は、東中国海の釣魚島、南中国海の主権と権益を保護することができる」と指摘した。
 
尹少将は、「中国は戦略転換期を迎えており、経済建設の大環境の保護、全体環境の安定とバランスを考慮しなければならない。中国は周辺諸国との間に、領海を巡る争いの他に、良好な外交関係と政治関係を結んでいる。周辺諸国との安全保障に関する協力も成果が得られている。中国は領海問題により、主動的に各国に戦争を仕掛けることはない。これは中国のやり方ではない」と語った。
 
尹少将は、「中国は日本と同じく、釣魚島の問題は米国が両国間に仕掛けた罠であることをよく理解している。米国は中国と日本がアジアで手を組むことを恐れており、仮にそうなれば、米国はアジアで勢力を失うだろう。日本と衝突するのではなく、冷静な態度、法的手段、外交手段により釣魚島を巡る争いを解決することが、現在重要となっている。また日本内部の極右勢力による極端な行為を防がなければならず、仮にそのような行為が見られた場合、中国は釣魚島問題について毅然とした回答をなすだろう。当然ながら、相手側が武力を用いない場合、武力による反撃について言及してはならない。それは成熟した大国の行為ではないからだ」と述べた。
 
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月26日

以上転載
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■中国共産党の国家統治と外交は「嘘」が基本

中国共産党の国家統治と外交の中心は「嘘」が基本です。国民を騙し他国を騙しながら大きくなってきたのが中華人民共和国です。その嘘の方法は、誰も否定出来ない綺麗な言葉で人を信じさせ、その全く正反対のことを行うというものです。例えば中国で言う「自治区」とは全く自治権のない「植民地」のことであり、「平和」とは自国の軍拡を肯定し日本の武力をなくすことです。

また、相手を批判するときの特徴として、自分が泥棒なら他人を指して「こいつは泥棒だ!」といい、自分が人殺しなら他人を人殺しと批判します。自国の軍隊が大虐殺をしたら日本軍は大虐殺をしたと嘘をつくのです。中国の新聞を読むときはこのような前提で読み解く必要があります。

■「主導的に各国に戦争を仕掛けることはない」の意図

上の中国網の記事はタイトルは衝撃的ですが内容をよむと一瞬安心してしまいそうな事が書いています。「中国は領海問題により、主動的に各国に戦争を仕掛けることはない。」と言われると、「では日本も中国を刺激しないように上陸などせずにおとなしくするべきだ」と言い出す政治家が出てきそうな気がします。しかし、彼らは明確に魚釣島(尖閣諸島)の海洋権益を保護するといっているので、日本の実効支配を5年も10年も許すことはありません。国際的に批判されないように、何かをきっかけに「日本が戦争を仕掛けた!」というに決まっています。特に都庁の職員が調査に上陸した時などそのような言いがかりをつける危険性があります。

本来なら日本人が上陸する時は黙って上陸すればいいのですが、このような中国の言いがかりを回避するためには、「尖閣諸島は日本固有の領土であるから、中国政府は我々の行動に対して何一つ批判する資格は無い!」と事前に世界に発信して置くことが必要だと思います。

■「米国は中国と日本がアジアで手を組むことを恐れている」の意味

日本人には理解しにくい表現があります。「米国は中国と日本がアジアで手を組むことを恐れている」という表現です。中国共産党の最大の軍事目標というのはアジアから米軍を追い出す事です。その中で最も邪魔なのが「日米同盟」です。そのため、中国共産党は日米離間工作として、1960年代には日本国内において「愛国反米運動」の扇動工作をおこなっていました。その中で最大のものは70年安保闘争や核持ち込み反対闘争などです。同時期の沖縄では、「米軍基地撤去」、「安保破棄」を前提とした沖縄復帰運動を扇動していたのです。

沖縄返還協定が調印された時期には、愛国運動のシンボルである日の丸をおろし、「反日、反米」に扇動するように工作の方針が変わりました。そして、現在も同じように沖縄でオスプレイ配備反対や反日思想を土台に自衛隊配備反対の運動が起きています。その裏では人民解放軍の工作部隊やお金が動いているものと思われます。つまり、この表現から読み取れるのは、現在の中国の日本侵略戦略は「日米安保破棄の工作、日中友好、日中経済交流の工作により、米軍をアジアから追い出し、日本を中国の言いなりにして戦争をせず日本を属国にする。」ということです。それを回避するために、今日本が行うべきは、中国に経済カードを渡すようなことを決して行わないことです。中国のマーケットを当てにしたり、中国の観光客や日本への投資などを当てにしてはいけません。1日でも早く、中国に進出している企業は日本に帰ってくるかベトナムやタイなどの他国に移転させる事です。日本政府は補助金を出してでも企業の中国からの撤退を支援するべきです。

■「相手側が武力を用いない場合、武力による反撃について言及してはならない。」の真意

「相手側が武力を用いない場合、武力による反撃について言及してはならない。」という表現は一見紳士的に聞こえます。しかし、これにも騙されてはなりません。中国共産党は基本的にヤクザ国家だと理解して置くべきです。つまり、武力は使わないが脅しは使うということです。それは、2010年9月の尖閣諸島沖中国漁船衝突事故で実証済みです。レアアースの禁輸カードを使ったり、中国で仕事をしているゼネコンの社員をスパイ容疑で逮捕したりしました。それと同様のことを行ったり、近くまで軍艦を訓練という名目で覇権したりするはずです。

■日本はこれ以上中国に騙されてはいけない

日本の戦後は中国に騙され続けてきた歴史だといっても過言ではありません。それは1972年の国交回復からではなく、1949年の中華人民共和国建国以来からです。1950年代には日本に工作員が入り込んでいたいと思われます。そして1960年代には安保闘争と沖縄返還闘争の扇動工作により、反米、反核運動が強くなって来ました。その頃中国は核兵器開発に全勢力を注ぎ込んでいたのです。

つまり、自国では核兵器を開発しながら、日本に核兵器の撤去させるために、核アレルギーを刷り込ませ、米軍基地の撤去と、日本が核兵器を開発しないように工作していたのです。このときに佐藤栄作総理大臣は核武装も検討していましたが、この扇動工作に負けて、マスコミ対策として、沖縄返還の時に非核三原則を標榜し、一方米国と核持ち込み密約をする事になったのです。

核武装を成功させた中国は、国連の常任理事国になり、米国とも国交回復の道筋をつけ、日本とは、日中共同声明により、戦勝国と敗戦国という関係を認めさせた上で国交を始め、それ以降、日本は謝罪外交により中国にお金を注ぎ込み、中国の軍拡を助け続けてきました。

このように、戦後の日本は中国の巧みな工作にだまされ、日本国民は彼らの考えたシナリオの通りに考え、行動してきたのです。政治も経済もかられの振り付け通り動いてきたのです。そして現在、GDPも逆転し、軍事力も追い抜かされ中国に逆らえないような関係に追い込まれていこうとしています。

■日中共同声明を破棄するべき時に来ている

このように、中国の対日工作は仕上げ段階に来ています。中国からみると、まさしく熟した桃の実が頭の上から落ちるのを待つかのような状態だと思います。このような状況で日本が行うべきは、対中外交政策の抜本的な変更です。

対中政策の根本的な方針を定めているのは、1972年に田中角栄総理大臣が中国と国交を開いた時に発表した日中共同声明です。これを破棄し、中国依存経済、中国隷属外交を脱却し、中国の振り付けに従う隷属政治、隷属経済から脱却し日本独自の国家繁栄ビジョンを描く主権国家になければならないと思います。

日中共同声明の危険性については別途解説いたします。

(仲村覚)

 
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