くまにちコム 2012年06月25日 を転載

水俣病一斉検診に1413人 水俣、天草、出水

不知火海沿岸住民健康調査実行委員会(藤野糺委員長)は24日、水俣市、天草市、鹿児島県出水市で水俣病の一斉検診を実施、過去最大の1413人が受診した。実行委は、受診者のうち同日集計した969人の88%(853人)に、手足の先や全身性の感覚障害が認められ、水俣病特別措置法に基づく未認定患者救済の症状の要件を満たしていたと発表した。

千人規模の一斉検診は1987年、2009年以来。特措法の救済申請期限が7月末に迫る中、潜在被害者を掘り起こし救済を進めるのが狙い。

検診は医師142人を含む836人の体制で、天草市3会場、水俣市2会場、鹿児島県出水市1会場で実施。実行委によると受診者は関西や九州各県などの20~90代で、ほとんどが初受診だった。

検診では、魚の摂食状況や手足のしびれ、ふるえなど自覚症状の問診の後、手足の感覚障害や視野狭窄[きょうさく]などを調べた。各会場とも、午前9時半の検診開始前から数多くの受診者で混雑した。

感覚障害が認められた受診者のうち、希望者には診断書を発行して申請を促す。実行委は「被害者がなお数多く潜在していることがあらためて示された」としている。

実行委は、水俣病不知火患者会など六つの被害者団体と医師団などで構成。実行委は27日に、検診結果の詳細な分析について公表し、国に期限撤回を求める方針。(辻尚宏)

 
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