重慶市の王立軍の亡命未遂に関しては、ギャング内の権力闘争に敗れた者に対して温情をかける必要のないもので、政治的利用の判断だったと思えたが、今回の民主活動家・陳光誠氏をシナ政府に渡した意味は大きい。シナ政府の圧力に屈し、家族とともにアメリカに亡命を求める民主活動家を見捨ててしまった。その時、「本人の意思で大使館を出た」などと嘘までついた。

アメリカ内では、再選をかけたオバマ政権は今までの対中政策の誤りを露呈させないために中国との対立を避けている、という。これはシナとアメリカだけの問題ではない。場所を尖閣諸島に移した場合、アメリカは島に上陸しようとするシナ工作員を見逃すことを意味するのだ。

山村明義の神代のブログ 2012-05-04 を転載

中国共産党が最も恐れる「習近平クーデター計画」とは?

中国共産党が窮地に追い込まれている。
つい最近までアメリカとの最大の問題になっているのが、王立軍重慶市副市長の亡命問題だったが、ここに来て山東省の盲目の人権活動家、陳光誠氏の身柄引き渡し問題である。3日、陳光誠氏は、北京市内の病院に入院していたが、中国側が人権を保障することで、アメリカ側は身柄引き渡しに合意。ヒラリー・クリントン国務長官も、「長期に渡り陳氏と家族に関与していく」と釘を差した。

しかし中国共産党にとって最大の懸念は、やはり王立軍がアメリカ総領事館に亡命しようとした時に、アメリカ側に渡したと見られる「極秘資料」の存在である。
その「極秘資料」とは、11月の習近平国家主席就任前に大問題となりかねない「国家主席就任阻止へのクーデター計画」が記されているとも噂されている。太子党派の代表格であり、今回の王立軍事件で失脚した薄煕来グループが、共産同青年団派(団派)の習近平国家主席就任に対し、「逆転のための最後の大勝負を打つ」というわけだ。

この「極秘資料」が重大なものであるからこそ、中国人民解放軍は、重慶市のアメリカ総領事館を警察車両と合わせて70台の装甲車で取り囲んだのであろう。

いま、第18全中党大会を前に、中国共産党の事情通の間では、「共産党青年団派」、「太子党派」の他に、「胡錦濤派」、「江沢民派」、「温家宝を中心とする民主体制派」の少なくとも5つのグループが渦巻いていると囁かれている。なかでも中国を民主化しようとするグループは、党内で徐々に力をつけていて、「10人目の中国共産党常務委員は、オバマ大統領」と揶揄する声も上がっている。それほど、中国の腐敗と権力闘争の激しさは増しているのが実態だ。

アメリカに亡命した民主活動家の陳維明氏は、5月2日の日本滞在中、私の取材にこう語った。「これから中国は恐ろしい権力闘争が行われるだろう。陳光誠氏の問題はその一つに過ぎない。しかし中国の民主化には、まだまだ時間がかかり、その間、日本側も尖閣諸島問題がどうなるかを合わせて、中国共産党の権力闘争がどう収斂していくかを注目しなければならないのです」

国内の新聞・テレビではほとんどその実態が報道されず、日本にも大きな影響力を与える中国共産党の権力闘争の凄まじさを我々は、刮目して見続けなければならないはずだ。

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