米軍基地問題に関する沖縄の対応に大きな変化があらわれた。
沖縄経済界のドン国場組が民間団体の代表として訪米する。また、沖縄県では知事公室の意向としてアメリカとかかわりの深い人材を起用し、普天間飛行場の返還後の問題にあたる新部署を設立する。

国場組は、県防衛協会長、県商工会議所連合会長、県経済団体会議の議長という肩書もさることながら、米軍占領時代から軍関係の工事を大規模に請け負ってきた企業であり、アメリカとの関わりは深い。ワシントンから見れば防衛・外務大臣より重要な存在だろう。国場組の社長が動いた意味は大きい。
これら一連の動きによって普天間基地の辺野古移転が加速するだろう。移転問題で冷え切った日米関係は修復に向かうが、これらは先日の宜野湾市長選挙の結果がもたらした相乗効果といえる。

そして最も注目すべきは、この記事を地元紙が報じていることだ。「基地の県外移設が県民の総意である」という嘘を重ねてきたメディアも方向変換せざるを得なくなっている。基地賛成派は少数だが容認派は昔から多い。反対運動を指揮するのは本土から入り込んできた「極左」といわれる者たちだ。沖縄にある基地アレルギーを巧みに利用して反米活動をし、日米関係を悪化させてきた。もはやそうした活動ができるのは沖縄だけなのか、近年はその勢いが増している。地元メディアも加担し、ヒステリックな報道を繰り返している。真の沖縄のためのメディアとして生まれ変わってほしい。

民主党政権によって冷え切った日米関係だが、沖縄政治が動き出したことによって修復されるだろう。

琉球新報 2012年3月2日

国場氏「辺野古」訴え あす訪米、推進要請


県防衛協会の国場幸一会長(国場組社長)が3日から訪米し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進する立場から米政府などに要請行動することが1日、分かった。国場氏によると、名護市辺野古の地元関係者、グアムへの在沖米海兵隊移設を推進するメンバーも同行するという。

国場氏は「最近の県内からの訪米行動で沖縄県民は全員辺野古に反対しているという話が伝わっているが、県民の中には辺野古移設に賛同し、推進してほしいという人もいることを説明したい」と述べた。

琉球新報 2012年3月2日

県安全政策課 主任研究員に吉川氏を採用


県知事公室は、4月に同室内に設置する地域安全政策課(仮称)に向け、主任研究員として吉川由紀枝氏(38)を採用し、1日に辞令を交付した。

米国のジョンズ・ホプキンス大学ライシャワーセンターの上級研究員を務めた吉川氏は、米国での人脈を生かし情報収集する。米軍普天間飛行場の返還・移設問題について「単に移設先がどこか、という程度で考えるのではなく、日本の防衛をどう考えるのかや、東アジア全体の安全保障の体制がどうなるか加味した上で、普天間の解決策を考えていきたい」と述べた。米国出張で又吉公室長らは、米軍再編見直しの動きについても情報収集する意向。