台湾の総統選挙の結果報道をみると、一様に「約80万票の大差」と強調している。台湾国民は馬政権の台中宥和政策を評価し、独立色の強い民進党を支持しなかった。などとする記事が目立つ。
馬英九689万票に対し蔡英文609万票。確かに80万票といえば大きい数字だ。
だが割合で表現すれば、馬英九100対蔡英文88。実際にはその差わずか12%しかない接戦だったのだ。有権者の数%の意識が変われば逆転していた。
加えて当初80%と予想されていた投票率が74.4%と下がったことが、与党有利に作用した。これによって馬英九は首の皮一枚で生き延びたといえる。
とはいえ結果がすべての世界にタラレバは通用しない。現実として冷静に受け止めるべきだ。
立法委員選挙(113議席)では、国民党が64議席を獲得して過半数を維持したが、前回選挙の81議席から大幅に減らした。民進党は、前回の27議席から躍進して3分の1を超える40議席を確保。前回議席を失った台湾団結連盟が3議席を取り、無党団結連盟は2議席、親民党は3議席を獲得している。
馬英九総統が再選されたとはいえ、国民党の議会運営は厳しさを増しているのだ。