いつもながら励まされる提言です。
大切なことは、安倍政権に期待をするだけではなく、私たちがそのために何をするかです。

田母神俊雄公式ブログ 2013-01-19 から抜粋(全文はリンクからご覧ください)

第二次安倍政権に期待する

第二次安倍政権が誕生して間もなく1ヶ月になる。安倍総理はこれまで我が国が十数年頑張ってきた国の支出を減らそうとする緊縮財政路線を捨てて、積極財政に打って出ようとしている。国債の発行に枠を設けずに景気がよくなるまで無制限に国債を発行して公共事業を実施しようとしている。そして景気がよくなれば税率を上げることなく税収が増えて、国の財政も勝手に立ち直るというものである。正しい方向だと思う。

我が国は政府の借金が1千兆円を超え、これ以上借金が増えれば国の財政が破綻すると言われ、この十数年緊縮財政の方向で国の財政を建て直し、景気を回復させようと努力して来た。十年以上努力しても全く改善の方向性が見えない政策は多分間違っているのだ。

緊縮財政理論は至極もっともに聞こえる。しかし理論は現実の裏づけがあって初めて正しいことが証明される。どんな精緻な理論も現実が伴わなければどこかに欠陥があるのだ

20年前よりGDPが減っている国は日本だけだ。これは日本国民がサボっていたからではない。政府と日銀の経済政策が間違っていたからだ。景気全体をコントロールできるのは政府と日銀だけである。もしこの20年で我が国のGDPがよその国と同じように二倍になっていれば、我が国のGDPは今頃1千兆円を越えていた。4兆6千億円の防衛費も10兆円を超えていたことになる。自衛隊の強化など国の守りも強化出来たに違いない。尖閣諸島でこれほどまでに中国に脅かされることもなかったであろう。しかし、安倍総理の積極財政政策によって我が国経済は立ち直ることになると思う。

経済を立て直しながら、安倍内閣で国の守りの態勢も立て直してもらいたい。安倍総理にはそれができると思う。安倍総理は東京裁判史観、即ち自虐史観に取り付かれていない数少ない政治家の一人である。自虐史観に取り付かれている石破茂氏のような人が総理大臣になっては国の守りが改善されることはないと思う。意外に思われるかもしれないが、石破氏は靖国神社に参拝したことはなく、これからも参拝するつもりはないと明言している人だ。自民党政権なら誰が総理でもいいというわけではなく、安倍政権でなければ駄目なのだ。

自衛隊はいま専守防衛で、ほとんど攻撃能力を持たないが、攻防兼ね備えた諸外国の軍と同じような戦力構成にしていく必要がある攻撃力を持たない軍は抑止力にはならない国際法は禁止規定である。禁止されている事項以外は何でも出来るのが諸外国の軍である。自衛隊は根拠規定で動くのだ。自衛隊法などに任務が定められ、あらかじめ命令が付与されたことだけしか出来ない。テロ対策特措法でインド洋に給油のために派遣された海上自衛隊は海賊に襲われている商船を助けることは出来ないのだ。よその国の軍であれば直ちに海賊を撃退できる。自衛隊が国際法で動くことが出来れば、現在の尖閣における日中間の問題も起きていなかったであろう。

現在の自衛隊はアメリカの継続的な技術支援がなければ動けない。アメリカ製の戦闘機、護衛艦、ミサイルシステムなどを使っているからだ。主要な兵器は国産にしなければ自衛隊は自立できないし、我が国も自立できない。自衛隊の戦力発揮はアメリカの手中にあるといって過言ではない。諸外国では主要な兵器は国産を追求している。多くの国は外国から兵器を買っていれば、同じだけ売って立場が弱くならないように配慮している。しかし我が国の場合は武器輸出三原則というものがあり、買ってくるのはいいが、売ることはだめということになっている。これも見直しが必要である。

核武装も日本では議論することさえ難しい。しかし、核武装しない方が核武装するよりも国が安全だなどという理屈は我が国以外では通用しない。アメリカの核抑止力は我が国を確実に守ってくれるのか。非核三原則についても見直しが必要であると思う。

安倍総理が第一次安倍内閣で「戦後レジームからの脱却」と言ったが、言うは易く行うは難しである。戦後レジームで利益を受け続けている我が国の学会やマスコミあるいは日教組など左翼政治団体はこれに頑強に抵抗するであろう。また米中韓など諸外国も現状を維持したいに違いない。安倍総理の前にはいばらの道が続いている。しかし一歩後退、二歩前進、長期戦を覚悟して、是非とも不退転の覚悟で頑張ってもらいたい。第二次安倍政権に大いに期待している。

 
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