表現の仕方、受け取り方もそれぞれに相違はある。
橋下発言に対して国内外のメディアがヒステリックに反応した。その過程で、日本人という民族の誇り、先人たちの名誉を汚されたことに反論をこめた西村真悟議員の志は正しい。
言葉の表現に配慮が欠けていた一面は否定できないが、現実を正直に述べたまでのことだ。世論によって同僚議員や党に迷惑をかけたくない一心で素早く離党届を提出したが、党執行部はそれを受理せず、除名処分にした。維新の党解体の危機だといいながら、憂国の士である西村真悟を容易く除名にするなら、案ずるとおりに解体すればいい。もはやこの時点で民主党モードだ。
国民からの厚い支持を受ける日本維新の会だが、ここにきて「志」と「損益」によって分断すると見てよさそうだ。

20日付のご自身のメルマガで、この度の経緯と今後の決意を表明した。
外圧に屈しないその姿は、まさに仰げば尊しだ。西村真悟議員のご健勝を念ずるばかりである。

眞悟の時事通信 平成25年 5月20日 を転載

士は己を知る者の為に死す

この言葉、
「士は己を知るものの為に死す」
今この言葉を噛みしめている。
そして、政界において、私がこの言葉を捧げる方は、衆議院議員平沼赳夫先生である。
何故なら、平沼赳夫先生は、今我が国をおおう国家の危機と再興の方策を知り、そして、私の志を知っておられるからである。政治は、技術ではない。志だ。

さて、このことを冒頭に述べ、以下は、私が議員を辞職するという推測が一人歩きしたり、一人歩きさせたりする人もあるかと危惧し、この公に関する一点を明確に書いておく。

その為には、この度の維新の会内の私の発言に関する騒動のいきさつの概略を述べることをお許し頂きたい。
党内の内輪の代議士会での話を、党外の問題として騒ぐべきではないが、幹部が党外に出して騒いでしまったのであるから仕方がない。
そもそも党内の内輪の会合には、マスコミを入れないものなのだ。しかし、五月十七日の本会議直前の代議士会にマスコミが入っていた。それを確認もせずに、内輪に話すように話した私は迂闊である。

経緯は以下の通り。
橋下徹維新の会共同代表が数日前に、いわゆる朝鮮人従軍慰安婦に関して発言してから、周知の通り波紋が広がっていたのであるが、その波紋のなかに、直ちに対処して明確に否定すべき悪意の捏造がAP外電にあることを知った。それは、十七日の朝であった。
そして私は、この捏造は、単に維新の会の評価を失墜させるというような小さなことではなく、日本民族そのものの品性を否定しその名誉を失墜させるほどの捏造であり、これを放置することはご先祖に対し、二百三十万戦没英霊に対し、さらに子孫に対し、まことに申し訳ないことだと判断した。

そして、十二時四十五分頃、私はある意味ではカッカして院内の代議士会に入り、戦時中のいわゆる朝鮮人慰安婦の問題に関し、憂慮すべき本題(後に書く)を話してから、それに付随して次の趣旨を話した。

現在も多くの韓国人慰安婦が大阪南の繁華街にいる。大阪に帰ったら、繁華街に立つ韓国人に、お前、慰安婦かと確かめたらいい。

この発言に対し、まず松浪健太氏が、「韓国人を撤回してください」と言った。私は、韓国人が皆慰安婦であるかのような誤解を与えたのかと思い、その場で素直に「撤回」した。
そして、代議士会は終わり、本会議開会の予鈴が鳴り、私たちは本会議場の座席に着き本会議が始まった。すると国会議員団幹事長の松野頼久氏が私の肩を叩き、先ほどの発言をマスコミの前で明確に否定してください、その為に十五分後にマスコミを控え室に集める、と言った。私は、えらく重大問題にしているんだなー、と思ったが、十五分後に松野氏と共に控え室にいるマスコミ各社の前に行った。

そして、私が日本にいる韓国人女性が全て慰安婦であるかのように言ったと誤解されたら困るので、そう誤解されるような発言は撤回すると言い、弁明もした。そして、本会議場に帰った。

すると、三十分くらいしてからか、今度は役員室に来てくれと言われたので、三階の役員室に行った。そこで、役員が、深刻な顔をして維新の党解体の危機だという、そしてこの危機を回避するために、西村さんに離党してほしいと言う。役員に、それほどの危機なのか、と訊ねると、さらに深刻な顔になってそうですという。

私はしばらく考えた。若い役員が揃って困っている。その原因が自分の韓国人に関する発言なら、彼等が言うとおり、自ら離党届を提出して早々に潔くけじめをつけて、党への迷惑と同志への迷惑を回避しよう。私は、彼等に「分かった」と言った。
そして、本会議終了後、自室に戻り離党届、会派離脱届けを作り役員に提出し、時事通信も刺激的だから削除してくれというので削除して国会から退出した。

それから後のことは知らない。彼等役員の仕事だ。
そして、新幹線移動の約三時間の空白の後、大阪で、大阪の幹事長が、離党届受理ではなく除籍にしたと発言していることを知った。私には、弁明の機会は与えられなかった。

以上が、事態の経緯である。

そこで、本題に入る
橋下共同代表の慰安婦(comfort women)に関する話が、外電では、「橋下は、戦時には、『性奴隷(sex-slaves)』が必要だと言った」、と悪意の虚偽の捏造をして報道され始めている。彼は、こんなことは言っていない。これを断じて放置してはならない。
奴隷制度の歴史をもっている欧米では、性奴隷という言葉はまことにおぞましい。放置すれば、日本人は性奴隷を必要とするおぞましい民族だという世界的な反日包囲網ができてしまう。断じてこれを許してはならない。

慰安婦とは売春婦のことで、それは今でもたくさん日本に入ってきている。彼等が性奴隷でない以上、戦時の慰安婦も性奴隷ではない。

私の話の本体は、日本が戦時に性奴隷を必要とした民族であるかのごとき捏造は許してはならないというものだ。もしこの捏造が定着すれば、我が国は、過去現在未来、名誉と誇りを剥奪される。従って、今、外国から仕掛けられている日本があたかも朝鮮人を強制連行して性の奴隷にしたかのような反日宣伝は、日本から誇りと名誉を奪い、日本を国際社会のなかで、名誉ある存在ではなく名誉なき悪をなした国家として屈服せしめるためのもので、もはや我が国の全外交力を駆使してその反日宣伝を阻止すべき非常事態だと言ってもよい。

この我が国が貶められてゆくこの重大問題からするならば、執拗に繰り返されるこの性奴隷という虚偽の捏造された反日宣伝を、現在の我が国の繁華街の状況を提示して判りやすく暴こうとする私の発言は、維新の会の役員のようにクレームをつける人があったとしても、我が国と国民を執拗におぞましく誹謗する相手の悪質さに比べれば、当然なされてよい発言なのではないか?

なるほど、本題から切り離してその部分だけを取り出して、韓国人全てを蔑視したと誤解されるような発言をしたことは確かだ。従って、同じ党の同志の言うことを受け入れて私は、撤回し、さらには離党届を提出することにした。同志の言うことだと思うから、私は党に迷惑をかけまいと、彼等の要望を自主的に受け入れた。しかし、その離党届を受理せず、弁明もさせずに除籍にして、さらに議員辞職をしろとなれば、対処は全く異なる。

私の付随した発言は、事実であり、韓国人売春婦は今も日本にいる。もちろん、立派な韓国の人々もたくさん日本におられる。しかし、そうだとしても、現在、韓国人活動家によってニューヨークやソウル日本大使館前でなされているような、世界に対する従軍慰安婦を道具にした捏造反日宣伝・対日誹謗中傷の悪質さに比べれば、私でなくとも、とっくの昔に誰かが東京や大阪の夜の繁華街の実態を説明して、その虚偽を暴くのが一番判りやすいと判断して、それを実行していても決して不思議ではない。

よって、このことを本論で指摘した私は、断じて議員を辞職しない。いや、辞職してはならないのだ。
何故なら、真実を指摘して反日虚偽捏造宣伝を阻止しようとした私が、議員辞職すれば、恐れ入りました、それはしませんと、国際社会に発信することに他ならない。つまり、性奴隷を認めることだ。相手は必ずこのように判断して勝ち誇る。これが国際社会の常識ではないか。これは、私が死んでも護るべき日本の誇りと名誉が国際社会のなかで剥奪されるのを、手伝うことに他ならないのだ。

従って、私は、祖国日本に対する愛と忠誠の故に、断じて議員辞職できない。千万人が来ても、辞職しない。
先人曰く、
自ら顧みてなおくんば、千万人といえどもわれ行かん

(了)

 


 
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