いつもながら明解です。

田母神俊雄公式ブログ 2013-10-15 を転載

総理の決断一つ

靖国神社の秋季例大祭 が10月17日から4日間行われます。安倍総理の参拝がほとんど話題になっていませんが、多くの人やマスコミも当然参拝しないと思っているこのときに、突然電撃的に参拝をすればいいのではないかと思います。

総理の靖国参拝については中国や韓国はもちろん、最近ではアメリカまでが反対の立場を表明することが多くなって来ましたが、諸外国の同意が得られるまで参拝しないということになると、永久にその日は来ないと思います。

一国の大統領や総理が、戦没者が祭られているお社に参拝しないことは全くおかしなことです。どこの国でも戦没者に感謝の誠を捧げるために国家の指導者が参拝しているのです。我が国では我が国が侵略国家であったという東京裁判で植え付けられた誤った歴史観があり、昭和61年(1986年)に中曽根総理が靖国参拝を中断したことによって、今日の靖国問題があるのです。戦後昭和20年から昭和60年までの40年間は、歴代総理大臣は皆さん靖国参拝をされていました。中曽根総理も昭和60年には戦後政治の総決算と言って8回も靖国参拝をしているのです。しかし中曽根総理は、中国に配慮して昭和61年に参拝を取り止めてしまいました。痛恨の極みです。中曽根総理の責任は大きいと思います。

それから、総理の靖国参拝が途絶え、これに味をしめた中国が日本攻撃をエスカレートさせて、日中関係はどんどん悪化することになったのです。その後小泉総理が靖国参拝をしましたが、小泉以降、再び靖国参拝は中断されたままです。

総理の靖国参拝と河野談話、村山談話の見直しは、我が国がアメリカによって作られた戦後態勢から抜け出すためには、避けて通れない問題だと思います。我が国が中国、韓国に配慮して譲歩した結果が、更なる譲歩を強いられる事態を招いています。譲歩すればそのときは一旦問題が解決したかに見えます。しかし、時間が経つと更に譲歩を迫られる事態が訪れます。問題が発生したときの総理や官房長官は、譲歩すればそのときだけは問題を解決できるのです。楽になります。しかしそこで楽をしては、将来はより苦しくなるのです。総理や官房長官には、そのときは苦しくても踏ん張ってもらうしかないのです。中国、韓国、そしてアメリカなどの圧力は、日本が譲歩を繰り返す都度強くなってくるのです。それはこれまでの歴史的経験を踏まえれば明らかです。だから踏ん張らないということは責任を回避しているようなものです。

我が国には、和の政治という風土があり、総理の靖国参拝や河野談話、村山談話の見直しなども国際社会の同意を取り付けて行えばよいと考えている人がいるかもしれません。しかし、国際社会は利益でしか動かないのです。日本が自虐史観に拘束され、総理の靖国参拝が出来ず、河野談話と村山談話の見直しが出来ないことが、諸外国にとっては利益があるのです。日本が国際社会の虐められっ子であることは、ホロコーストなどの問題を抱えるドイツなどにとっても、国際社会の目をかわすことが出来るという思いがあると思います。

だから、国際社会の同意を得て靖国参拝や河野談話、村山談話の見直しをすることは出来ない相談であります。安倍総理が、国際社会が反対する中で決断するしか道はありません。世界の理解が得られる日など永久に来ないのです。その日を延ばせば、延ばすだけ決断が困難になるのです。


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