やはり総選挙の争点は「国防」だ。
中国の陰にロシアあり
中国が空母「遼寧」に艦載機が発艦・着艦する映像を公開したが、小生が夕刊フジにコメント を寄せた通り、日米防衛関係者への衝撃は相当大きなものがある。 »»夕刊フジの記事
だが本当の衝撃はこれからやって来る。というのも飛行機の命は今も昔もエンジンだ。中国は優秀なジェット・エンジンを開発する能力はまだないと見られていたから、どこからエンジンを調達するのか注目されていた。
ところが先週、ロシアが中国にジェット・エンジンを含む大量の兵器を売却したとの報道があった。»»記事: 中国がロシア製兵器を再び大量購入か=両国の軍事協力、新たなピークへ―露メディア
こうなれば中国は、艦載機を含むスホイ型戦闘機の量産が可能になる。中国の軍拡が一段と加速される訳である。ロシアは中国の軍拡に非協力的とされてきたが、上記報道によると中国が習近平体制になったことでプーチンが協力的になったという。
現在、日本の置かれている状況を大戦前の近衛内閣末期にたとえる向きもある。あのときソ連(ロシア)のスターリンはノモンハン事件、独ソ不可侵条約、ポーランド分割、日ソ中立条約とコロコロと立場を変えた。そしてまんまとスターリンに騙されて満州、南樺太に攻め込まれ、固有の領土である北方領土まで奪われたばかりでなく、婦女子を含む大量の日本人が殺戮され、あるいは略奪され奴隷化された。
今また同じ悲劇が繰り返されようとしている。
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現在発売中の撃論第8号に拙論「尖閣への侵攻・占領・実効支配の中国のシナリオ」が掲載されている。御一読いただければ幸いである。
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軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、論文「日本の安全保障の現在と未来」が第1回読売論壇新人賞佳作入選。現在、日経ビジネス・オンライン、日本文化チャンネル桜等、幅広く活動。
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