「神様でも働く國」日本と日本人の美徳を取り戻せ!
アメリカの対日占領政策で、GHQが力を入れていたのが日本の労働政策である。連合軍最高司令官総司令部(SCAP)は、表向き「民主化」を唱えたが、その実狙ったのが、「日本人を働かなくすること」であった。
日本人の勤勉性は、世界で最も高い性質を持っていた。日本人は、神話の昔から「神様と共に働く」という美徳を理想に抱いていたからだ。何といっても、日本の最高女神である天照大神ですら、機織りを行ったり、田植えを行う。神様が働くのなら、人間が働かないはずはない。それが日本人なのである。
ちなみに西欧の神々は、全然働かないの常である。ギリシャの最高神ゼウス、ユダヤ教とキリスト教の最高神ヤハウエは、共に人間のように働かない。何といっても、労働は聖書でも人間に対する神からの「罰」であると記されている。例えば、ギリシアである。彼らが休暇を取り、地中海やエーゲ海を見ることは、「労働という罰から解放」なのだ。だからこそ西欧人は、ドイツ人などごく一部の民族以外は、働くことを嫌う。彼らにとって文字通り、「ワーカー・ホリック」は「病気」なのである。繰り返すが、それに対して日本人は勤勉だ。それは仏教でもなく、キリスト教でもない神道に伝わる日本神話によってわかる。例えば、仕事の納期は必ず守り、電車の発着では、1分も違わない時刻厳守の到着や発車が行われるのが日本である。最近では、GHQの影響を受けた日本人が増えすぎたため、その習慣は薄れてきたものの、このようなルーティーンでスムースな民族性は外国ではあり得ず、日本人の海外に対する信用の元になってきた。
戦後、アメリカを中心とするGHQがもっとも懸念したのが、日本人が持ち場持ち場で一所懸命に働くことである。戦争中、日本人の手強さの背景には、男性も女性もとにかくよく働く。職場だけでなく、家庭でも女性はよく働く。だからこそ、GHQは「日本人は真面目でよく働くから戦争にも強いのだ」と考えた。GHQの目標は、日本の国力を弱体化させるため、日本人を働かなくすることであった。その証明が、いまも日本に残り、多くの社会保険労務士など、労働の専門家ですら悪法であると認める「労働三法」だ。
労働三法とは、占領下に制定された労働基準法、労働組合法、労働関係調整法の3つの法律である。とくに前者2つの法律の背景には、GHQの持つ「日本人を怠惰な民族にする」という野望と、労働形態として「経営者=悪」と「労働者=善」という善悪二元論で分けてしまう左翼階級史観が大きく影響していた。
労働基準法では、基本的に「サービス残業」が許されないだけでなく、日本人の「過労」を厳しく制限している。さらに、労働組合法では、組合員は経営者と平等な権利が与えられる。GHQの改悪のおかげで、いまの労働組合の委員長は、労働貴族となり、ほとんど豪華な自宅に住めるようになった(調べてみると、官公労系、民間系問わず現在は億ションなどに住んでいる労働組合委員長も少なくない)。
労働者の権利があまりに強くなりすぎて、経営者は正社員として雇用するのを手控えるようなり、日本では大きな雇用問題を産み続けている。これは、日本の構造改革の結果、というよりも、最初からGHQがそうなるようにセットしていた、と見るのが妥当だ。
かつての日本の職場の労働環境とは、労働者同士、あるいは経営者と雇用者が助け合い、思いやりをもって相手の事情を汲むーというやり方が普通であった。それをGHQが徐々に「日本人は働きすぎだ。働かないようにシステムを変える」という意図を持って、無理矢理に変えてしまったのだ。
私は労働組合の設立や労働者の権利を認めないわけではないが、いまのサラリーマンの労働現場を見ると、GHQの指示通りに、「労働者=善」という平等思想を植え付けたことで、かえって日本人の雇用を少なくしたり、一部の仕事の出来る人間に仕事が集中したりして、かえって歪で過酷なものになっている。
共産党や社会党も、この日本人の劣化を貶めようとしたGHQの意図にいち早く気づくべきなのだが、彼らはGHQから多大な恩恵をもたらしてもらったために、いまだに「日本人は働き過ぎだ」とGHQの洗脳通りに主張する。ハッキリ言うが、いまの日本人はごく一部を除いて昔ほど働いていない。繰り返すが、日本人は、このようなGHQによる「労働観の劣化計画」に気づくべきなのだ。