山村明義の神代のブログ 2012-04-27 を転載
米軍再編計画の日米共同文書・中間報告の発表延期は、「4億ドルの要求差額」が真相だ!
25日、日米両政府が同日夕に予定していた米軍再編計画の見直しに関する「中間報告」の共同文書を延期した問題で、日本のマスメディアには、一切報道されていない新たな事実が判明した。今回、米軍が在沖縄海兵隊のグアム移転を含む米軍再編計画を延期した理由は、報道されているように、単なる米議会側の「レビン上院議員を中心とする米上院軍事委員会の嘉手納基地への統合の”軽視”への反発」などではない。
私が独自に取材した日本政府高官によると、延期された最大の理由は、在沖縄海兵隊のグアム移転のための日本側負担分の金額の話し合いが日米間でつかなかったことだ。
日本政府高官によると、今回の米軍再編に関して日本側が自己負担分として提示した金額は、最終的に約「29億ドル」であった。一方、米側が主張してきた金額が約「33億ドル」だという。日米間でその差約「4億ドル」の差が埋められず、米軍再編の中間報告共同文書の発表が見送られたというのだ。
「4億ドル」と言えば、日本円で約330億円と巨額な予算を、日本側が余計に払わなければならなくなる、という重大な問題だ。
元々、今回の在沖縄海兵隊のグアム移転の経費の日本側負担分は60・9億ドルだった。
ところがそのうち米軍人家族の住宅建設を含むインフラ整備に約31・9億ドル(一部報道では32・9億ドル)の融資を「ゼロにする」という案が米側(提唱者はキャンベル元国務次官補の案だったとされている)から出されたため。日本側が提示する金額は、29億ドルで決着するはずだった。ところが、そこで米議会側がその案に対して反発し、妥協案として米軍が4億ドル分を上乗せしたため、中間報告取りまとめに至らなかったというわけである。
批判されるのを恐れた外務省も、玄葉光一郎外相が24日、25日と記者会見を行っているが、「米側の都合」としている以外は一切正しい事実を明らかにしていない。
日本のマスメディアは、なぜこのような重要な情報をきちんと取材し、真相を明らかにしないのか。
言うまでもなく民主党政権は、鳩山政権の時に、在沖縄米軍基地移転問題の決着策を「最低でも県外」と約束して実現させられず、大恥をかいた。今回は、外務省を中心にアメリカ側の言いなりになるかたちで決着を目指したが、それが頓挫し、その「恥の上塗り」を明かさないために、この事実をいまだに発表しないのであろう。
劣化した日本のマスコミよ、もっと取材し、事実を明かせ!
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