方針を明確にするうえで期限を設けるのは良いことだが、期限に縛られて新たな問題が生じることもある。急ぐことは重要だが、乗り遅れそうな人たちを置き去りにすることがないよう、留意していただきたい。

くまにちコム 2012年02月03日 を転載

水俣病申請期限は7月末 特措法で環境省方針

水俣病特別措置法に基づく未認定患者救済の申請期限について、環境省が今年7月末で受け付けを締め切る方針を固めたことが2日、関係者の話で分かった。3日に細野豪志環境相が正式表明する。

特措法は、2010年5月の救済開始から「3年以内を目途に救済対象者を確定する」と規定。野田佳彦首相は1月27日の国会答弁で「(申請者の)診断、審査に一定の期間が必要」と述べ、開始から丸3年となる13年4月より前に期限を設定する考えを示していた。

環境省はこれまで、申請期限について今年3月末以降のうち複数の候補を検討。申請の判定作業に最長で11カ月程度かかることや、行政による最終の周知活動に一定期間が必要なことから、総合的に「7月末」と判断したとみられる。

申請期限をめぐっては、複数の被害者団体が「3月末での締め切りは拙速だ」と早期締め切りを批判。蒲島郁夫知事と宮本勝彬水俣市長も、国側に慎重な対応を求めていた。泉田裕彦新潟県知事は期限設定そのものに反対していた。

特措法の救済は、不知火海沿岸などで有機水銀に汚染された魚介類を多食し、手足の感覚障害などの症状がある人に一時金210万円や療養手当、医療費が支給される。熊本、鹿児島、新潟3県で昨年12月の1カ月で845人が申請。同年末までの累計は4万9636人に上っている。
(渡辺哲也、前田克)

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