「中国が尖閣で武力行使する恐れがあり、日米共同で準備をすべきだ」と、アメリカの研究所が提言した。
その内容は日本人にとって関心の高いことだが、問題はこれを報じたのが中国のメディアであって、日本では報じられていないことだ。日本が抱える最大の問題点は、ここにある。
中国が尖閣で武力行使の恐れ、日米共同で準備を=米研究所が提言
米国のシンクタンク「Project2049Institute」はこのほど、「東北アジアにおける空軍発展すう勢」と題する報告書を発表、ロシア、南北朝鮮、日本、中国、米国各国の東北アジアにおける空軍の発展状況について論じた。
報告書は特に、「日本が所有権を有する」尖閣諸島に言及、中国経済の発展と絶え間ない軍事力増強に伴い、中国が東アジアと南アジアにおける影響力について自信を深め、領土の所有権主張に対する自信と強硬姿勢も強めていると指摘。その上で、「中国が尖閣諸島問題で軍事的手段を用いる可能性が引き続き存在していることから、日米両国は相応の準備体制を整える必要がある」と提言した。 多維新聞網 が報じた。
報告は、中国人民解放軍空軍(PLAAF)の現代化によって、日本の自衛隊(JPSDF)にもたらされる挑戦とその対策、同時に在日米軍が直面しうる中国の脅威について言及している。報告書は「尖閣諸島における日本の行政管轄権が脅かされた場合、米国はただちに日米安全保障条約の規定にもとづき、尖閣諸島を守るという職責を遂行すことになる」と指摘した。
尖閣諸島は、東シナ海大陸棚の中国側東端に位置しており、地質構造上では、中国台湾の大陸性諸島に属する。尖閣諸島の周辺諸島海域の面積は17万平方キロメートル、台湾本島の面積の約5倍に相当する。1972年に沖縄の施政権が米国から日本に返還された時、尖閣諸島の行政管轄権も日本に引き渡された。同諸島は事実上、日本の管理下にあり、沖縄県石垣市に属する。
報告書は、尖閣諸島周辺海域が石油・天然ガス資源の宝庫であることが、領有権問題が悪化する要因となったと指摘した。そして、中国側が武力的手段を使って尖閣諸島とその周辺海域の領有権主張を強め、日本側に妥協を迫る可能性がある。
報告によると、もし中国が強硬措置に出た場合、日本は反撃のため、陸上部隊、戦闘機、駆逐艦を派遣する必要があるが、もっとも必要なことは早期警戒だ。日本の反撃が「小さすぎ、遅すぎる」と予想されるにせよ、日米の早期警戒態勢が中国の情勢判断に影響を与えることは間違いない。(編集担当:松本夏穂)