海上自衛隊の掃海部隊は国や地方自治体の要請を受け、爆発性のある海上の危険物除去が任務。09年度は81件出動し、約2200個を処理したという。

こうした事実が報道されたのは、訓練にふさわしい海域を漁場とする漁協の反対者に、協力を求めるための説明として公表されたことによるものだ。

日常の生活を営む場所で、突然自衛隊から訓練の協力を頼まれれば、地域の人たちが驚き反対するのは当然だろう。日本は海に囲まれた海洋国家である以上、国防や安全管理のためにも、このような活動があることを日頃から広報しておく必要がある。
 
くまにちコム 2011年07月06日から転載

海自、八代海で掃海訓練を計画 漁協に協力要請

機雷などを除去する海上自衛隊の掃海部隊が、2012年2月に八代海で訓練を計画している。防衛省は県内の漁協などに協力を求めているが、漁業者からは「漁に支障が出る」との声も上がっている。

防衛省地方協力局によると、訓練は2月中旬から約10日間。鹿児島県寄りの約80平方キロメートルの海域で、掃海母艦(5700トン)や掃海艇(1000トン)、輸送ヘリなどが参加。爆発しない模擬機雷を処分する訓練を行う。訓練期間中は、一般船舶の航行はできなくなる。

掃海部隊は国や地方自治体の要請を受け、爆発性のある海上の危険物除去が任務。09年度は81件出動し、約2200個を処理した。日向灘など国内6カ所を中心に毎年、掃海訓練を行ってきたが、八代海が候補になるのは初めて。同局によると、訓練には水深が40メートル以内と比較的浅く、海底に魚礁などの障害物が少ないことなどが必要で、「八代海は最適」という。

同海域を漁場とする津奈木漁協には、6月30日の通常総会に防衛省職員が訪れ、(1)訓練で海底を傷つけることはない(2)訓練は毎年、行いたいが、その都度、事前に相談する-などと協力を要請。組合員からは「タチウオなどを捕る吾智[ごち]網漁の最盛期と重なる」などの反対意見も上がり、結論は出なかった。今後、補償条件などを含め、理事会で話し合いを続けるという。

一方、芦北漁協は6月21日の総会で要請を受け、全会一致で協力を承認したという。防衛省は今後も熊本、鹿児島両県の各漁協に協力を求める方針。(横井誠)