田母神俊雄公式ブログ 2011-04-13 を転載

原発周辺の土地を外国に売り渡すことなかれ

第17回統一地方選前半戦の投開票が行われ、民主党の惨敗が明らかになった。この一年半の間、民主党政権がやってきたことを見れば国民が民主党を見限っていることはよく理解できる。民主党は、財源の裏づけもないのに何でもできると言って国民をだまして、政権を取ったようなものだ。

結局、一昨年の衆議院選挙における公約どおり実施できたものはほとんどないのだ。また、国を守るという意識が無いために、昨年9月の尖閣諸島における中国漁船体当たり事件の対応を誤り、北方領土のロシア支配、竹島の韓国支配を強化させてしまった。更に、鳩山首相も菅首相も、国連で非核三原則の演説をやって、本来、我が国が自由に出来るはずの核政策の手足を縛っている。いまの菅政権は外国におもねり、日韓併合100周年の謝罪談話を出すなど、間違った発信を続け我が国を危険に陥れている。外に弱く、内にだけ滅法強い、内弁慶の民主党政権には早期に退陣してもらいたいものだ。

このような中で東日本大震災が起きて、この対応においても菅政権の機能不全が、逐次明らかになりつつある。それにしても、4月10日の産経新聞一面の『首相執務室は開かずの間』を読んで得心した。これでは機能不全も止むを得ないか。菅首相は、指揮の根本を理解していないように見える。菅首相は、総理の器ではないのだ。政務三役でも官僚でも常に怒鳴り散らしているそうだ。新しい報告には「そんな話は聞いていない」とまた怒鳴る。東京電力に乗り込んでまで「東電の見通しは甘い。どうなっているんだ」と当り散らしたという。もし、最高指揮官が、本当に怒鳴りまくっているとしたら、指揮官としての指揮が機能不全に陥ることは当然のことである。指揮官は、組織戦力を最大にすることこそ仕事なのに。危機のときにこそ、指揮官は泰然自若としていなければならない。

部下は、常に上司の意向を気にしながら仕事をしている。組織の中においては常に“TOTAL SUM IS CONSTANT”である。それは部下が上司に気を使う量と、仕事そのものに頑張る量の合計は、常に一定なのだということである。従って、上司に気を使えば使うほど、部下は仕事をしなくなる。人を使う人、指揮官はこのことを十分に頭に入れておかなければならない。

指揮官は、部下が自分に気を使わないで、仕事そのものに頑張ってくれるように、部下に気を使わせない配慮が必要なのである。怒鳴るなどということは、部下に気を使わせるだけである。指揮官が怒鳴れば、部下は怒鳴られまいとすることに最大限に気を使い、仕事などそっちのけになる。「怒鳴られるから、この報告は明日に延期するか・・・」ということで、仕事も遅れ遅れになっていく。指揮官が怒ってもいいのは、明確に命令違反した場合とかサボっているとか部下に明らかな非があるときだけである。

昨日、経済産業省原子力保安院は、福島原子力発電所の放射能漏れ事故をチェルノブイリと同じレベル7に引き上げると発表した。これを発表するに当たって、政府の中で賛否両論あったことがマスコミ報道などからうかがわれるが、放射能被害を避けるために退避勧告が行われ、放射能の風評被害で農業、漁業関係者が苦しんでいるときに、人心を安定させることより、外国などの批判を避けようとしていることはないのか。あるいは、退避勧告のやり過ぎを、またほうれん草、牛乳などの廃棄処分を批判され、当初の政府の判断は間違っていなかったということを弁解したいのか。原子力保安院の審議官は、チェルノブイリと同じ最悪のレベルだと言いながら、漏れた放射線量はチェルノブイリの1割だと強調している。本当は、原子力保安院はレベル7にはしたくなかったが、総理に怒鳴られるので、その意向に従っただけということはないのか。いろいろ勘ぐりたくなる。

まさか、二度と福島原発周辺には戻れないと強調し、住民を他の地域に移住させて、その土地を中国人など外国人に与えてしまおうなどと考えていることはないのだろうか。民主党は、鳩山総理が「日本列島は日本国民だけのものではない」と言っていた政党だけに心配になる。菅総理も、同じ考えを持っていると思うので私たちは十分に注意する必要がある。

原発周辺の土地を外国に売り渡すことなかれ。