復興に向け、強い希望が持てる環境作りが必要

国内各地では被災者に向けた相談窓口を広げている。自衛隊や消防・警察による物理的救済は続いているが、避難生活者への精神的ケアは草の根の人たちによる地道な活動が中心となる。今後の復興には欠かせない、最も大切な救済活動だ。

阪神大震災から数年後に、神戸市内では未成年者による凶悪犯罪が続いた。災害時の恐怖とストレスのなかで、周りの大人たちを見ながら育った子供たちだった。被災地の大人たちに絶望感を漂わせてはいけない。子供たちはそうした大人たちの背中を見て育つのだ。

くまにちコム 2011年04月05日 を転載

被災者らに喪失感 いのちの電話、熊本でも応対

東日本大震災の被災者向けに、熊本など各地の「いのちの電話」が無料で相談に応じている。被災地から掛かってくる電話だけに、相談内容はどれも切実だという。

相談の受け皿を被災地の外に広げようと、全国組織「日本いのちの電話連盟」と各地の組織が3月28日、電話の発信エリアを岩手と宮城、福島、茨城の4県に限定する「いのちの電話震災ダイヤル」をスタートさせた。

熊本には4日までに28件の相談があった。避難所から携帯電話を通して、家族や知人らを亡くした喪失感のほか、将来への不安を訴える人が大半だったという。

中には「なぜ自分だけ助かったのか」「一緒に死ねばよかった」と自らを責める人もいた。事務局は「被災者はいま気が張っているが、生活が落ち着くにつれ内向的になっていく。心のケアは今後ますます重要になる」と説明する。

震災ダイヤルはいったん9日で終了するが、連盟事務局は「心のケアが必要な被災者は4県にとどまらない。発信エリアをどこまで広げるかなどを検討して、早く再開したい」としている。

震災ダイヤルは、フリーダイヤル0120(556)189。受け付けは午前8時~午後10時。
(石貫謹也)