4月11日、英国、米国、中国、韓国などの海外7紙に、菅直人首相の「絆に感謝します」というメッセージ広告が掲載されたが、台湾の新聞には掲載されなかった。このことに対して国内では、「台湾からの義援金は官民合わせて100億円以上。人口や経済力を加味すると、他国より格段に多く、「なんで台湾の新聞には広告を出さないんだ」「台湾に感謝を伝えたい」との声が上がっていた。

デザイナーの Maiko Kissaka さんがツイッターで、「台湾に義援金のお礼の広告を出したい。どうすれば広告出せるのか」と書き込んだところ、多くの賛同者が集まりはじめ、自然発生的に計画・実施されることとなった。

掲載予定の新聞社は、聯合報と自由時報でそれぞれの掲載スペースは1/2ページ、発行部数は2社合わせて約90万部、掲載料は2社で240万円になる。この掲載料金について、聯合報と自由時報ともに可能な限りのディスカウントを行い、消費税等の経費は新聞社の寄付によって賄われることになった。掲載日は未定だが、今月中を目指しているという。

賛同者からの寄付の振込最低金額は1000円とし、少数で多額の寄付をするよりも、少額を多くの人たちで積み上げていくことを重要視している。また、余剰金が出た場合はそれを被災地への義援金とする。

Maiko Kissakaさんは、この台湾での広告掲載が実現したあとはブログにて結果報告をし、このたびの活動を一旦終了するという。

詳細を報告する専用ブログ: 謝謝台湾計画

 
  J-CASTニュースニュース社会 を転載

「台湾に義援金お礼広告出したい」 デザイナーの呼び掛けに賛同者多数

「台湾に義援金のお礼の広告を出したい」。あるデザイナーのインターネットでの呼び掛けが注目を集めている。政府は海外7紙に、支援に対する感謝広告を出したが、台湾の新聞には掲載されなかった。その代わりという意味も込められているらしい。

呼び掛けたのは、日本人デザイナーのMaikoKissakaさん(@kissaka)。日本への義援金が100億円を突破した台湾に、「日本人有志一同でお礼の新聞広告を出したい」と、ツイッター上で訴えている。

ひろゆき「100万ぐらいだったら、足りなかった分出しますよー」
「台湾の新聞へのお礼広告計画(仮称)」は、Kissakaさんがツイッターで2011年4月11日、「台湾のメジャー紙に有志で意見広告(お礼広告)出せるのかぬ?」とつぶやいたことから始まった。

その後の発言によれば、Kissakaさんは帰国子女の友人を通じて、台湾の大手新聞社「聯合報」の担当者と連絡を取ることに成功した。12日には、「1/2ページで100万のOKキターーーーーーー!!!!」「1000人なら1人1000円で済む。2000人なら500円で!」と同紙の広告枠が取れたことを報告している。

これに対し、元2ちゃんねる管理人の「ひろゆき」こと西村博之さんはツイッターで、「100万ぐらいだったら、有志で足りなかった分の広告費用出しますよー」と反応を見せ、計画への参加を表明している。
ほかのユーザーからも「なら私は10万出しますー」「ぜひ協力させてください」など賛同する声が多数集まった。インターネット上の掲示板では、「こういうのはいいな、頑張れ」「500円くらいなら出すぞ」「ひろゆき△」など賞賛の声が上がっている。

続々と集まる計画支援の声に対し、Kissaka+さんは12日、「お金の流れの透明性を含めて、事務局立ち上げの準備に入ります」とし、100万円以上集まった場合には、日本赤十字社を通じて寄付するか、ほかの新聞社にも広告を出すかを検討するとの考えも示した。
14日にも有志の会計士とともに入金などの仕組みを整え、詳細が決まり次第知らせていくという。

「政治がどうあれ、きちんとお礼をする国であり続けたい」

東日本大震災から1か月たった4月11日、英国、米国、中国、韓国などの海外7紙に、菅直人首相の「絆に感謝します」というメッセージ広告が掲載された。しかし、中国への政治的な配慮からか、台湾の新聞には掲載されなかった。台湾からの義援金は官民合わせて100億円以上。人口や経済力を加味すると、他国より格段に多く、日本国内では「なんで台湾の新聞には広告を出さないんだ」「台湾に感謝を伝えたい」との声が上がっていた。

Kissakaさんは「素直に台湾の人達にお礼は言うべきだと思うんだよね。国として難しいのもわからなくはないけど、政府でも、被災地の人でも、それ以外の地域でも、外からみたら『日本』なので」と、計画への思いを語る。

一方、「台湾からしたらそんな金あるなら東北に送れって感じだろうな」など、否定的な意見も一部で見られる。「台湾人は謝意をもらうため日本へ支援したじゃないと思う。中国の人は新聞の内容で中国と書いてないことに怒った。私たちは中国の人のような行動をとるべきじゃない。それより、日台関係、本当な絆の意味を考えてもらいたい」という台湾人の意見もあった。

このような意見に対し、Kissakaさんは、
「お礼は期待するものではないけど、しかし、決して怠ってはいけないと私はかんがえています。長い目でみて政治がどうあれ、きちんとお礼をする国であり続けることが、また海外の人達に喜んで来てもらえる大事な事だと思っています」
と説明している。

関連リンク
謝謝台湾計画
Twitter: Maiko Kissaka
Maiko Kissaka’s Official Website