現場の捜査隊員による地道で粘り強い作業を支えるのは、それぞれの気持ちの中にある「強い使命感」である。
国民として、あらためて誇りに思う。
時事通信 4月18日(月)2時33分配信
地道に手作業、強風で一時退避も=原発10キロ圏の捜索隊員―福島県警
福島第1原発の事故で、福島県警は半径10キロ圏内の避難指示区域で行方不明者の捜索を続けている。捜索に加わった県警特別機動パトロール隊の大内保史巡査部長(30)は17日、取材に応じ、「放射線への不安がないと言えばうそになるが、家族の安否を案ずる被災者のため地道にやるしかない」と語った。
県警は7日から半径20キロ圏の避難指示区域で集中的に捜索を開始。14日以降は10キロ圏内にある沿岸の町、浪江町請戸に場所を移した。「当初は放射線への心配があった」と大内巡査部長。1歳の一人息子への影響を懸念した。放射線量は1日約7時間程度の作業時間の累計で10~15マイクロシーベルトといい、「恐怖感はない」と話す。
防護服を着た捜索隊員は、各自が放射線を測る線量計を持ち、棒の先に金属製のかぎが付いた「鳶口(とびくち)」と呼ばれる道具でがれきをかき分けながら、手作業で不明者を捜す。10キロ圏内では重機を使っていない。
捜索隊には放射線量を監視するモニタリング班があり、16日には強風が吹いて全員が現場に止めた車に一時退避した。防護服は不織布製。大内巡査部長は「防護服は動きづらく、破れやすい」と話す。がれきの下から遺体を見つけても運び出せないことがあり、「あすは絶対運ぶから」と手を合わせ、現場を後にしたこともあった。
そんな厳しい状況下でも、気持ちを張り詰めていられるのは「使命感を持って当たっているからです」と大内巡査部長。東日本大震災では多くの警察官が殉職し、10キロ圏内でも県警双葉署員の遺体を発見した。「被災した仲間の分も頑張らないと。変わり果てたふるさとを復興させるため、何ができるかを考えるだけです」と表情を引き締めた。
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