各報道により、沖縄県与那国町では自衛隊配備反対が根強いと印象付けられているが、事実はそうではない。
勿論賛否は絶えないが、与那国島への自衛隊配備は地元からの要請からはじまった。だがその原因は、国境である与那国島に対してそれまで政府が何ら防衛措置をしてこなかったことによるものだ。防衛と外交を米国に丸投げしてきた。
かつて台湾と中国の間に緊張感が高かったころは、与那国島は台湾軍の防衛圏内とされてきた。沖縄には米国空軍基地があるとはいえ、台湾にほど近い小さな島に中国軍が上陸するのは容易いことと見られていたからだ。だが、馬英九政権になってからの台湾はそれまでとは一変して中国寄りになったため、一方の与那国には緊張感が高まった。自衛隊配備の要請にはそうした背景があったが、国防を米国に丸投げしている日本政府への切なる願いでもあった。
民主党政権になって以降は、沖縄県内で「反戦平和」という看板を用いた基地反対運動がより一層活発化し、普天間飛行場の移設や与那国への自衛隊配備が頓挫してしまった。メディアが報じるのはこの一面だけだ。
3月28日の与那国町議会では、23日に開かれた「朝鮮人慰安婦慰霊祭」について「与那国を舞台に捏造されたパフォーマンス」と町議が厳しく批判し、自衛隊配備で防衛省に10億円を要求していることを撤回し速やかに実現するよう町長に迫った。
これも与那国町の真実だ。
八重山日報 2013.03.29 を転載
「慰安婦虐殺は捏造」 糸数氏、迷惑料要求も批判 与那国町議会
28日の与那国町議会一般質問で与党の糸数健一氏は、23日に開かれた「朝鮮人慰安婦慰霊祭」について「与那国を舞台に捏造されたパフォーマンス」と厳しく批判し、町が施設を貸したことを疑問視した。
自衛隊配備をめぐり、外間守吉町長が防衛省に10億円を要求していることについては「今からでも撤回してほしい」と迫った。外間町長は3選出馬の条件の一つに与党の支持を挙げているが、与党内からも公然と反発の声が上がる現状が浮き彫りになった。
糸数氏は、与那国島で朝鮮人慰安婦が米軍に虐殺されたといわれることについて「私は還暦だが、この年になるまでそんな事実を聞いたことがない。島の大先輩たちも有り得ない話だという」と指摘。慰安婦の件を県史に執筆した宮古島の元軍医と同姓同名の人物を探し当てたが、関係者も事実を否定したと述べた。
その上で、慰安婦の虐殺を「捏造」と断言。慰霊祭の参加者もほとんどが島外や韓国からだったとして「(自衛隊配備反対運動と)連動しているという懸念がある。国境の島がおかしなことになっては困る」とくぎを刺した。
自衛隊配備の「迷惑料」要求については「与那国町は町長も議会も町民もみんなそうなのか、と思われている。悲しい」と批判。「与那国を空白地帯にするな、とわれわれが部隊配備を要請した。迷惑料は撤回し、速やかに国との交渉に入ってほしい」と求めた。
糸数氏に対し、嵩西茂則氏は外間町長に出馬を要請、崎原孫吉氏は自衛隊配備や町長選について一切触れず、与党内の「温度差」もうかがえた。
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