勘違いはなはだしいとはこのことだ。
小野寺防衛大臣は、沖縄県与那国島への自衛隊配備に関して、「地元の理解が得られない状況なら計画全体を含め検討する」「自衛隊配備は地元自治体の要請から始まった。要請が全く違う方向になれば前提が崩れる」「誘致しておいて『迷惑料』を迫るような主張」などというが、ことの内容は国防にかかわる極めて重要な問題だ。今頃までそうしたことを論じていること自体が世界の非常識というものだが、くわえて防衛大臣が「地元の理解が無いから国防ができない」というのは職務放棄ではないか。領土領海・国民の生命を守るために強権を発するのが政治だ。反対者との金額交渉など後回しでもかまわない。まず政府としての責任を果たすことが先決だろう。
一部の世論に動じる小野寺氏は今すぐ防衛大臣の座を去れ。

産経ニュース 2013.3.26 を転載

陸自与那国配備見直しも 防衛相「要請の前提崩れた」

小野寺五典防衛相は26日の記者会見で、与那国島(沖縄県与那国町)への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備計画について「地元の理解が得られない状況なら計画全体を含め検討する」と述べた。部隊の拠点を置く用地の売買や賃貸借契約をめぐり町との交渉が難航していることを受け、配備計画自体を見直す可能性に言及したものだ。

小野寺氏は「自衛隊配備は地元自治体の要請から始まった。要請が全く違う方向になれば前提が崩れる」と指摘。用地取得費について防衛省は最大1億5千万円と提示したのに対し町側は10億円を求め、「土地鑑定額からかけ離れ、要請してきた立場を忘れているのでは」(政府高官)との不満がくすぶる。

賃貸借契約に切り替えようとしても町側は配備の「代償」として10億円の支払いを要求。これも、「誘致しておいて『迷惑料』を迫るような主張」(同)として防衛省側は受け入れがたい。

小野寺氏が配備計画の見直しを示唆したのは町側を牽制(けんせい)する狙いがあるとされるが、同町の外間守吉町長は今夏に町長選を控え、妥協を期待しにくいとの見方も根強い。中国の海洋活動の活発化を踏まえれば部隊配備は急務だが、「町長選が終わるまでは静観するしかない」(防衛省幹部)との声も漏れる。