犯歴などの身元調査もしていない作業員が原子力施設に勤務していた。そうした制度すらなかったことに驚愕するばかりだ。
発電所や変電所などのエネルギーにかかわる施設がテロの標的になるのは世界常識で、犯罪者がそこで働く職員を取り込む標的にするのは容易に予測できることだ。犯歴だけではなく借金やアルコール、麻薬依存の有無を厳重に監視していくことも重要だろう。今すぐ義務化するべきだ。

読売新聞 2013年1月26日 を転載

原発作業員に身元調査、テロ対策で義務化へ

原子力規制委員会は、原子力施設のテロ対策に関する専門家の検討会を来月新設し、対策の強化に乗り出すことを決めた。

作業員がテロリストの内通者となるのを防ぐため、犯歴などの身元調査の義務化に踏み切る方針だ。原子力発電所をもつ先進国の中で日本だけ制度化が遅れていた。来年3月にオランダで開かれる核安全サミットを目標に、大まかな制度設計を急ぐ。

原子力施設には、破壊されると放射能漏れなどの重大事故につながりかねない設備、核兵器への転用が警戒される核物質や技術などがある。作業員は、テロの標的となる設備の場所や警備体制など、機密情報に接触できる可能性がある。

欧米では、原子力施設の作業員を対象とした身元調査が10年以上前から制度化されている。犯歴、借金やアルコール・薬物依存の有無などを調べ、テロリストにつけ込まれて協力者となる恐れなどを政府や事業者が分析。不適格と判断した場合は作業から外す。