田母神俊雄オフィシャルブログ 2011.05.28 を転載

福島原発の放射能漏れにより、現地周辺の人たちは強制避難や風評被害による様々な困難に直面している。これは原発の放射能による困難ではなく、政府の対応のまずさによって福島県の人たちが人的に困難を強いられているのである。

テレビなどで「原発によって全ての生活が駄目になった」というような被災者のコメントが報道されているが、真実は原発への政府の対応で全てが駄目になったというのが真実である。マスコミも原発が悪いという報道をあおっているが、悪いのは日本政府の対応なのである。菅政府では、また昨日文部科学大臣が、小学生など学童が浴びても良い年間累積放射線量を1ミリシーベルト以下に決めたそうだ。これは全日本国民が年中浴びている自然放射線以下である。馬鹿げたことを決めて、生活や教育を不便にしているだけである。低線量率放射線療法を実践している東大の稲恭宏医学博士から聞いた。毎時100マイクロシーベルト、即ち年間876ミリシーベルト以下の放射線なら24時間、365日継続的に浴び続けていても人体にとって悪いことなど一つもないそうだ。稲博士は従来治りにくかったリュウマチなども、ガンの治療に使われる高線量率放射線とは別物の低線量率放射線を当てることによって治ることも多いと言っている。

私はブログやツイッター、講演などで、現在の福島原発周辺の状況は放射能的には「危険ではないのでは?」という持論を言い続けている。当然のことながら、福島原発の周辺は危険であると言う人たちからは、「専門家でもないお前が何故そんなことが言えるのか」とか、「そんなに安全だと言うならお前が原発の中に入れ」だとか、強い批判も寄せられている。

しかし、私は私の思いつきで言っているわけではない。私は東京大学の稲恭弘博士や札幌医科大学の高田純博士などから、いろいろと教えていただきながら発言をしている。私の故郷・福島県の人たちからも避難が本当に必要なのかという意見が寄せられる。私は先月、計画避難地域とされた飯館村を訪問した。村民はもちろん、のどかな村で牛や鶏や犬も元気に暮らしている。菅野典雄村長も避難の必要性については懐疑的であった。私は、不必要な避難で強制的に町を追われ、さまざまな大被害を受けていることについて、理不尽であると言う思いがどうしても消えない。

危ないと言う人もいるが、放射線医学の専門家であるお医者さんたちは危なくないと言っている方もいる。そして、これに反論するお医者さんを私は聞いたことがない。素人や原子力工学だけをやっている人が、反論しても医者に対する反論にはならない。危険であるという意見と危険ではないという両方の意見があるときに、総理の胸三寸一つで強制的に立ち退きを迫られ、結果として財産を失い、家を失い、健康被害を受け死亡者まで出ていることは、政府の行動によって福島の人たちが虐待されていることだ。

南相馬市の特別養護老人ホームに入っていた人のうち7人は、避難による点滴の不具合などで死亡しているそうだ。放射線の被害を避けるために、放射線以外の原因なら命を失ってもいいということなのか。そんな馬鹿なことがあっていいわけがない。何故、総理は危ないという人たちの意見にしか耳を貸さないのか。もし総理があの地域の放射能が危ないと思ったとしても、危なくないという人たちの意見も入れて地域の人たちに避難するか否かの選択の自由を与えるべきだ。特別養護老人ホームの人たちは政府によって殺されたようなものである。

しかし、世の中では危険だと言ったほうが利益を得られる人たちも多い。そういう人たちは、商売上政府の対応を歓迎しているかもしれない。放射能関連の本はいっぱい売れる。雑誌も放射能の危険をあおれば売り上げが伸びる。あの宇宙服のような防護服もどんどん売れる。手袋もマスクも、そして普段はほとんど売れない線量率計も飛ぶように売れている。原発周辺で各種作業に当る人たちには、多額の危険手当も支給される。マスコミが放射能の危険をあおる裏にはこのような背景もあるのではないかと思う。結果として、福島県の人たちは大変な虐めにあっている。これを守ってやるのが、我が国政府のやるべきことであると思うのだが、現状では政府が先頭に立って福島県民の虐めをやっている。

風評被害を防止したいと菅総理が言っているが、現実は政府が先頭に立って風評被害を引き起こしている。危険ではないことをことさらに危険だとして、防護服を着て現場に行ったり、厳しすぎる放射線防護基準を決めたり、農作物の出荷停止をやり、不必要な強制避難を実施することが風評被害の根本にあることを認識していないのだろうか。
政府が先頭に立って放射能の恐怖をあおり、反原発、反核運動をやっている。サヨクはこれを大歓迎していることであろう。我が国が核武装をすることから遠ざかることは、アメリカや中国も大歓迎である。国際政治においては他国が弱体化することは自国の利益である。世界はいま拍手喝采で、我が国政府の原発対応を高みの見物である。

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