西村真悟の時事通信(平成23年3月8日号)No.608を転載

外務大臣の辞職に関して

前原氏が外務大臣を辞職したことに関して、短文ながらコメントしておきたい。
まず第一に、辞職は当然である。しかしながら、総理大臣は、一時間以上にわたって辞任を思い止まるように、慰留したという。

では、この忙しいときに、官邸で一時間以上もどういう理由で慰留したのか。三つの理由が考えられる。
一つは、もらった金額が少なすぎるから。そんな少ない金で辞任することはない。
二つ目は、民主党はほぼ全員、在日外国人から献金を受けているからお前だけ辞められたら困る。
三つ目は、民主党自体が党として外国人から支援と献金を受けているからお前だけ辞められたら困る。
これは、私事ではない。国際的に影響の出る外務大臣の辞任である。その辞任を慰留したのであれば、総理大臣は公事としてふさわしい慰留の理由を公式に表明するべきである。表明できないのであれば、彼らは既に内閣を私物化している政権の寄生虫である。

そもそも前原氏が外国人から支援を受けたという理由で辞任するのであれば、辞任は一人前原だけではなく、全民主党こそ辞任する必要がある。つまり、民主党は解党する必要がある。
何故なら、民主党は既に外国人に投票してもらって党の代表者を選出しているからである。これ以上の支援があるであろうか。
また、総選挙と参議院通常選挙において、民主党は外国人団体に支援してもらっている。民主党の選挙対策委員長が、民団の集会において、「選挙においてご支援を戴きありがとうございました」と挨拶しているではないか。

さらに、街を見渡してほしい。パチンコの経営者に在日外国人が多いのは公知の事実であるが、そのパチンコ店の駐車場フェンスに何処の党のポスターが貼ってあるか。民主党ではないか。つまり、民主党は外国人の支援を受けて選挙をしている。
つまり、民主党は、外国人参政権を推進しているが、この背景には、外国人からの支援があるのだ。きれい事ではない。
日本人の為にあるのではなく、支援する外国人のために政策を遂行する構造を内包しているのが民主党である。
このように、民主党は構造上外国のためにある存在となっているのであるから、前原一人の辞任で問題が解決したと思ってはならない。党の構造自体を解体(辞任)に追い込まねばならない。

次に、前原氏個人に関してであるが、こういう人物はそもそも閣僚にするべきではない。
彼のアメリカへの行き方、北朝鮮への行き方、中国への行き方、常にうさんくさい。その例が、この度内実の一部が明らかになった彼の北朝鮮行きである。彼は、北朝鮮に拉致された日本人の救出に関心を示してこなかった。では、何のために北朝鮮に行っていたのか。

閣僚になってからの、彼の仕草を観ていると、あたかも、売れっ子の芸者が客のつかない芸者の横を得意げに歩くような風情である。
そして、何をしたのか。国土交通大臣のときは、颯爽とダムの建設中止を現地で宣言した。このダム、今どうなっているのか。建設中止が中止されたのではないか。
またこの大臣のとき、所管の観光客誘致に熱心で、中国からの客が大幅に増えるよう中国に愛嬌を振りまいた。
その結果、菅内閣は、中国人への個人観光ビザ発給の対象を、年収二十五万元(三百四十万円)以上の「富裕層」から、年収六万元(八十万円)の「中間層」まで一気に拡大した。これで、中国における我が国のビザ発給対象世帯は千六百万世帯、人口約五千万人に達する。年収八十万円の膨大な中国人「中間層」、つまり我が国の人口の半分近くが観光として我が国に殺到する門戸を開いたのが、この男だ。
このビザ発給要件の緩和が、我が国の将来、つまり運命に如何なる災いを及ぼしかねない重大なことなのか。
そして、外務大臣になってからの話は、もっと馬鹿らしい。

尖閣での中国人船長逮捕以来、中国人観光客誘致に熱心だったあれが外務大臣になっているとみた中国政府は、効果的な前原屈服策を持ち出す。
彼が中国におべんじゃらをして推進していた中国人の日本観光ツアーを矢継ぎ早に中止した。一万人の団体日本観光の取りやめや、東京での世界旅行博への出店キャンセルだ。その効果は、ニューヨークで出た。
即ち、前原外務大臣は、クリントン国務長官から、尖閣には日米安保条約第五条が適用されると言われた翌日の九月二十四日、菅と共に中国船長を釈放するのである。
この船長釈放は、尖閣を「日本国の施政の下にある領域」(日米安保条約第五条)から「日本国の施政よりも中国の力が優越する領域」に転換した行為である。つまり、船長釈放は、尖閣に日米安保が適用される要件をドブに捨てた反国家的行為なのだ。
従ってアメリカは、この日本の外務大臣は、馬鹿な根性のないポチ扱いで十分と判断しただろう。そして、彼は、アメリカに言われるまま、アメリカの思惑通り今度はアメリカのポチとなって菅総理と共に突然TPP参加推進を打ち上げる。

ここらで止めるが、およそ彼にパフォーマンス以外の何があるのだろうか。
彼は、松下政経塾で養殖された議員である。それだけだ。