来年2012年は各国で大きな動きが重なる年だが、台湾では総統選挙がある。現在の国民党が政権に復帰してからは、一転して中国よりの政策が推進され、国内外からその方針を危惧する声が高まった。

国民党はかつて大陸内において共産党との内戦に敗れ、台湾に暫定政府を置き、事実上アメリカの保護下となって存続してきた。当初は蒋介石率いる大陸系中国人(外省人)の組織であったが、台湾人も政治に参加するようになる。李登輝、王金平氏らも台湾人である。

馬英九政権は急進的に親中国政策を推進し、台湾が中国に吸収されるのではないかという危機的意識が国内外に強まっている。そうした中で、台湾人として台湾政界の重臣である王金平氏に期待が寄せられるのは、国民感情からすれば自然現象といえる。

日本の主権が脅かされている現状に鑑みても、台湾の政治情勢が日本に及ぼす影響は大きい。今後の経緯を注視したい。

な~るほど・ザ・台湾より転載

王・立法院長の動向に注目集まる

王金平・立法院長の動向が注目されている。李登輝・元総統は17日、王院長が来年の総統選挙に出馬するという話は聞いたことはないが、政治情勢は常に変わるとした上、「もし王院長が総統選に立候補する意思があるなら励ましたい。いいことだ」と述べた。

王院長は同日、「台湾人なので、常に台湾の安全、安定、発展と発展を考える。国民党員として国民党が永遠に執政を続けるために奉仕する」と、これまでの沈黙を破り初めて表明した。さらに王院長は、本土勢力を代表して来年の総統選に立候補するかとの問いに対して「今はコメントを控えたい。皆さんが関心を持ってくれていることに感謝する」と述べた。