台湾は日本の生命線 2010/12/23/Thuを転載

中国困惑!反中感情が国守るー世論調査で「中国に親近感なし」8割の快事

■中国の「本性」を知り始めた日本人  

内閣府が十二月十八日に公表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じない」との回答は前年比で一九・三ポイント増の七七・八%に達し、七八年に調査を開始して以来最悪。「親しみを感じる」人は前年比でほぼ半減の二〇・〇%と最低だった。

日中関係を「良好だと思わない」との答えも前年より三三・四ポイント増で八八・六%に及んでいる。

調査は十月二十一~三十一日に実施された。外務省は対中感情の悪化の原因として中国漁船の体当たり事件を挙げているが、そのとおりだろう。中共政権の理不尽、横暴な「本性」を見せ付けられた以上、良識あるものなら「親しみ」を抱けるはずがない。

そしてこれは日本の国にとってはすばらしい傾向だ。なぜならこれほど国民があの国の「本性」を知り、騙されにくくなったことを意味しているからだ。騙されていつの間にか、あの国の影響下に引きずりこまれてきたのが従来だから、これでいいのである。

■台湾、香港、中国のメディアも報じた反中感情の高まり

この調査結果には台湾、香港、そして中国のメディアも関心を持ったようで、速報されている。

香港のリンゴ日報は十八日に都内で実施された「頑張れ日本!全国行動委員会」の尖閣侵略糾弾デモの写真を掲載しながら伝えていた。迫力ある日の丸デモ行進は中国への怒りそのものを表しているから、そうしたのだろう。

一方新華社に報道はもっと迫力があった。何と陸海空自衛隊の写真を掲げていたからだ。それは新防衛大綱が中国への警戒感(反中感情)を示すものだからだ。

香港の御用メディア、中国評論新聞社は「なぜ日本人は中国に親近感を持たないのか」と題する論評を掲載した。

ちなみに、そこに載る写真も「頑張れ日本」のデモのもの。「日本東京では今年大規模な反中デモが行われ、中日関係は歴史的氷点に入った」との、センセーショナルなキャプション付きだ。

「日本東京では今年大規模な反中デモが行われ、中日関係は歴史的氷点に入った」と

論評によれば、日中関係を夫婦関係に例えると、これまでの調査で「親しみを感じる」が六―八割を占めていた七八~八八年は蜜月期で、五割前後だった八九~〇三年は観察期、〇四~一〇年は冷戦期となるのだそうだ。

■香港メディアが分析する日本人の対中感情

それでは日本人の中国への不親近感はどこからくるのか。論評はまず「国家的実力の変化」の影響があるという。

―――蜜月期では中国は政治大国(政治強国ではなかった)で、日本は「経済強国」だったため、両国の民族主義はまだ抑制されていた。しかしその後、中国経済は急速な発展を遂げ、日本経済は「失われた十年」を味わい、一〇年には中国はGDPで日本を越えた。居安思危(安全な中でも危機に備える)の習慣を持つ日本人は、自身も大国を目指す必要性を感じ、両国の政治的な摩擦は避けにくくなった。

それから「中国人の作法が嫌い」。

―――日本人は中国人がいつも歴史問題を持ち出すが、首相の靖国参拝と中日関係は別のことだと考えている。反日デモで日本大使館などを襲撃しながら、中国が謝罪しないのを見て、中国人はやり方が不合理で、国際的なルールを守れない民族だとの印象を持った。

「日本メディアが中国の欠点を誇張する」ことも原因だそうだ。

―――〇五年の反日デモは日本のテレビ各局に報道され、中国人は暴力的で反日との印象が日本人に植え付けられ、中国への親近度は三二・四%にまで落ちた。〇八年にさまざまな「破氷」の動きが見られ、両国関係は好転するところだったが、日本のメディア各社は懸命に毒餃子事件を報じ、中国食品と中国への好感度は谷底へと転げ落ちた。

―――ある日本専門家は「一部の政治家の不当な言動が中国の民衆の対日感情を刺激するが、とくに大学生が不満を表明するとき、それが日本の一般的民衆に矛先を向けるものだと誤解させてきた。また一部の民衆は右翼メディアの誤導により、中国の抗議は日本の内政への干渉だと誤解している。こうしたことも対中親近度調査の結果に影響しているのだ」と指摘する。

■中国が日本のメディアを統制したがる理由

そして「結論」としては、

―――中日の相互不信の根源は、相手国の情報が正確に伝わらないことにある。そこで深く相手を理解することが必要だ。

日本の世論を騙し、籠絡し、取り込み、平穏裏に支配下に納めたい中国側としては、やはり日中の摩擦というものを懸念しているのがわかる論評だ。

しかし日本人の反中感情を一気に高めた肝心の軍事的脅威、覇権主義的外交姿勢に一切触れないのはおかしな話だ。「中国脅威論」の否定に力を注ぐ国だから当然だとしても、これを語らなければ、何の意味もない。とにかく「日本人は中国を誤解している」と強調するのみだ。

そしてそのために行使する宣伝が「日本メディアが中国の欠点を誇張する」だ。

中国政府が日本のマスコミ各社に対し、日中関係の促進に有利な報道を行うよう求めつづけるのもこのためだ。要するに中国の「悪しき実態」を隠蔽しながら、日本国内の世論を操縦せよと日本側に要求しているのである。あたかも国内の御用メディアに命令するかのように。

ここまで求められれば、メディア各社もそうした情報統制を受け入れざるを得なくなる。「一部の民衆を誤導」する「右翼メディア」というものが日本にあるらしいが、あの国から「右翼」と指弾されないメディアは、よほど向こうに従順な報道姿勢を示しているのだろう。

■中国の「宣伝」を跳ね返す力を持つことの重要さ

民主党政権が日中関係を悪化させないため、海保撮影の中国漁船のビデオの公開を拒否し続けるのも、実はこのためだと思わざるを得ない。つまり中国側の要求に従い、あの国の「本性」「悪しき実態」を覆い隠そうとしているのである。

このように日本人はこれまで、こうした中国の間接的な情報統制下に置かれ、中国の実態を知りにくい状況に置かれてきた。だが繰り返しになるが、近年は徐々にあの国の実態が認識されつつあり、その結果として中国に「親しみを感じない」との回答数値の向上があるのである。

暴力立国である中国の政権を支えるのは「暴力」だけでなく、その「暴力」を隠蔽し、あるいは正当化する「宣伝」というものもあるが、その危険な「宣伝」を跳ね返す力を日本人が高めているのだから、とりあえずは一安心である。

日本があの国の「暴力」に対抗するために求められるのは軍事力だか、「宣伝」に対抗するのに必要なのは正確な中国認識と、それに基づく反中国感情なのだ。

日本人はそれなりに、中国への抵抗力を備え始めた。そうしたことを思わせるのが今回の調査結果だった。

—-以上転載—-
参照ブログ:台湾は日本の生命線!