尖閣列島海域における地元石垣市の漁業は困難を極めている。すでに日本が実効支配しているとは言い難い状況だ。

八重山日報 2013.02.28 を転載

安全操業 総務相に直訴 海人の会「施設整備を」
名嘉会長、手応え強調

石垣市の漁業者で組織する「尖閣で漁をする海人の会」の名嘉全正会長らが27日、尖閣諸島周辺で安全操業するため、避難港や無線基地を整備するよう求める要望書を新藤義孝総務相や自民党の高市早苗政調会長、国土交通省などに提出した。
新藤総務相らに面会した名嘉会長は「手応えは、ばっちりだった。大臣には予定時間をオーバーして会ってもらった」と、要請の成果を強調した。

名嘉会長によると、総務相は尖閣での施設整備について、自ら「必要だ」との認識を示したという。名嘉会長らは安全操業の実現を強く訴え、総務相との面会時間は約45分に及んだ。

自民党本部では名嘉会長が「子孫のためにも島を守ってほしい」と要請。高市政調会長は「前向きにできるところからやっていきたい」と答えた。

名嘉会長は取材に対し、尖閣で避難港を整備する必要性について「中国の船は20~30㍍の風でも耐えられるが、石垣の漁師の船は13㍍吹いたら出航できない。(施設整備は)当たり前だ」と訴えた。

要請に同行した民間団体、グローバル企画の平田直芳さんは「石垣島の漁師が困っている。行政や漁協が動かない部分があるから、任意団体(尖閣で漁をする海人の会)を立ち上げた」と話した。要請には砂川利勝県議も同行した。

尖閣諸島周辺では、中国公船が、連日のように領海へ侵入したり接続水域を航行したりしている。

今月18日には領海内で、名嘉会長が乗る漁船が中国の海洋監視船3隻に追跡され、万一に備えて海保の巡視船が周辺に配置される事態が発生。中国公船は地元漁船の拿捕(だほ)を狙っている可能性があり、中国公船が尖閣海域を航行している間は、漁業者の安全操業が不可能な状況になっている。

要望書は尖閣周辺の豊かな漁場を守ることが国益にもつながると指摘。操業する漁船への燃料費の補助なども求めた。

 


 
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