「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23(2011)年10月30日通巻第3465号 を転載
湖州税務当局が「ミシン税」を撤回、抗議デモが勝利したゾ
またも弾圧をはねのけ中国の労働者、ストライキ側が要求を通した
暴動、放火、パトカーの大半がひっくり返され、放水車にも放火された。
湖州(浙江省杭州の北隣)の騒擾は、29日、税務当局が「ミシン税」を撤回することを表明し、ようやく収まりつつある(ウォールストリートジャーナル、10月30日、ネット版)。
浙江省の繊維産業は浙江省全体のGDPの40%をしめ、中小零細企業およそ一万社がひしめく産業である。
過去五年間に人民元の対ドルレートは30%前後切り上げとなり、輸出競争力を失い、さらに賃金上昇が重なったため完全な斜陽産業、大手のおおくはベトナム、バングラデシュへと移転した。
まだ浙江省にとどまっている繊維産業はよほどの零細か家族産業もしくは独自のデザイン、もしくは納期厳守、労賃が異様に安いなど特殊事情がともなっている。
この悲惨は状況に重税を課せば、ガスが充満したところへライターで火をつけたような格好である。
ミシン税は、一台のミシンに月300元から600元の課税を予定していた。女工さんの月給の半分に匹敵する額をミシン所有にかけるというのは、企業を破滅させる。だから、湖州暴動では若い女性の参加者がめだつうえ、拘束された女性が多い特徴がある。
民衆は公害の元凶とみられた化学工場の移転要求を貫徹させた、あの「大連モデル」を噂で聞き知っている。民衆の抗議で当局が譲歩した初めてのケースだからだ。
今後、中国の労働運動がいきおいをつけて変わる徴候ではないか。
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あの新幹線事故は世界に衝撃を与えたが、事故車両を埋めて証拠を隠そうと企み、遺族には未曾有の補償金を支払ってデモを封じ込め、マスコミへの登場を禁止、沈黙させた36時間後には新幹線の運転を再開した!
何でも有りの中国ですから、こんなこと日常茶飯。驚いて騒いでも始まらないのデス。
そして事故、事故処理、マスコミ操作とすりかえの対日攻撃、反日キャンペーンは定石じつは中国のやっているプロジェクトはすべて同じではないのかダム工事も、運河も。新都心建設も、不動産投機も、ハイテクも、そして軍事力増強も、みんな張り子の虎、明日、大事故がおきて三峡ダムは決壊するのではないのか。いや中国経済そのものが決壊するおそれはないのか?
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