水俣病の教訓は水銀の取り扱いだけではなく、その後水俣を襲った深刻な風評被害がある。日本はこの教訓を世界に発信する前に、まず福島の風評被害に対応するべきだ。
「水俣条約」提案へ ジュネーブで水銀規制交渉
【ジュネーブ共同】水銀による環境汚染や健康被害を防ぐため、水銀の輸出入などを規制する条約案の採択を目指す国連の政府間交渉が13日、ジュネーブで始まった。140カ国以上が参加、18日までの予定で条約案の最終合意を目指す。
条約案は原則として全会一致での合意が必要。最終合意されれば、今年10月に熊本、水俣両市で開催予定の国際会議で正式採択される。日本は条約名について「水俣条約」を提案。今回の交渉でもあらためて提案する。
日本は条約の前文に
(1)水俣病の教訓
(2)水銀汚染の防止、汚染地の再生に向けた努力
(3)汚染の未然防止
-などを盛り込むよう訴える。
環境汚染や健康被害の防止を図る国際条約は現在、先進国から発展途上国への有害廃棄物流出を防ぐバーゼル条約など三つあり、水銀規制の条約ができれば四つ目となる。
条約案は、水銀を一定量以上含む電池や蛍光灯、殺虫剤などの製造、輸出入を原則禁止。虫歯治療用などは使用が制限される。加盟国は大気や水、土壌への排出削減を図ることになる。
水銀は主に途上国で、金採掘に必要な精製の材料などに需要がある。排出削減に向け、途上国は先進国に資金援助を求めており、政府間交渉では協議が難航するとみられる。