「水俣病特別措置法の申請期限後は慎んでほしい。他の団体に迷惑」という政府側の発言である。立場を踏まえた緊張感が欠落している。

くまにちコム 2012年04月11日 を転載

「迷惑」発言に抗議水俣病検診計画の医師団

横光克彦環境副大臣が、水俣病被害者団体が進める潜在患者掘り起こし検診を「水俣病特別措置法の申請期限後は慎んでほしい。他の団体に迷惑」と発言した問題で、不知火海沿岸住民健康調査実行委員会は11日、発言撤回などを求める申し入れ書を環境省と熊本・鹿児島両県に送った。

実行委は6月、水俣市や天草市などで1500人規模の一斉検診を実施する予定。

申し入れ書では、副大臣の発言を「水俣病問題の幕引きを図ろうとする環境行政の本質を現した」と抗議し、副大臣の謝罪を要求。さらに一斉検診に対する環境省職員や両県の医師の参加のほか、特措法などでの市町村別の救済者数公表なども求めている。

実行委は11日、水俣市で会見。藤野糺委員長は「本来は行政が水銀汚染の実態を明らかにすべきだ。まだ万人単位の被害者が潜在している可能性がある」と指摘。高岡滋医師も「検診は8月以降も続ける必要がある」と強調した。(辻尚宏)

 
リンク
くまにちコム
水俣病百科