これは一地方のローカル選挙ではない。日米関係を軸とした国防にかかわる選挙でもあり、ある意味では国政選挙よりも重要な位置にある。

佐喜真氏の勝利は接戦であったとはいえ、普天間飛行場とともに生活をしてきた宜野湾市民の意思表示の結実だ。県知事選と地元宜野湾市長選で伊波氏が連敗した意味は大きい。「米軍基地反対は沖縄県民の総意である」というメディアによる一方的なプロパガンダが崩れつつあり、県民の真意が多くの国民に知らされていくだろう。

基地容認の背景には様々な事情と思惑があるが、「賛成」ではなく「容認」であるところに思いを寄せていかなければならない。この溝を埋めていくことが今後の重要課題だ。

沖縄を守ることが日本を守ることに直結することを、我々国民は思い知っておかなければならない。万一、沖縄が北方領土や竹島の二の舞になれば、日本は自国の主権を放棄することを世界に知らしめることになる。

沖縄タイムス 2012年2月12日 を転載

佐喜真氏が初当選 宜野湾市長選

【宜野湾】
安里猛前市長の病気辞職に伴う宜野湾市長選が12日に投開票され、無所属新人で前県議の佐喜真淳氏(47)=自民、公明、新党改革推薦=が2万2612票を獲得し、無所属で元職の伊波洋一氏(60)=社民、共産、社大推薦=に900票差をつけ、初当選を果たした。佐喜真氏は27年ぶりの保守市政奪還に成功した。政治姿勢をともにする仲井真県政と連携した普天間飛行場の跡地利用や、防衛省の関連交付金獲得など対政府交渉に臨む姿勢が評価された。投票率は63・90%で、2010年の前回選挙を3・23ポイント下回った。

沖縄防衛局の選挙介入疑惑で全国から一気に注目を集めたほか、日米両政府が在沖米海兵隊の一部先行移転や嘉手納以南の基地返還について協議を開始する中での選挙となった。

自民党県連の前政調会長だった佐喜真氏は当初、今年6月の県議選宜野湾市区での3選出馬を目指していた。しかし、昨年末、安里市長が急病で辞職すると、自民系・公明の市議団や経済団体などでつくる候補者選考委員会の要請を受け、いち早く出馬を表明。40代の若い市長誕生と市政「チェンジ」を掲げて、無党派層の支持拡大に成功した。

伊波氏は10年の知事選出馬で2期目の市長任期を半年残して退任。後継者となった前副市長の安里氏が昨年末、辞職したため、再登板を目指したが、かなわなかった。

革新陣営は宜野湾市で首長を失い、市では名護と沖縄の2市だけに追い込まれた。野党多数を占める県議会だが、今年6月の改選で戦略の立て直しが求められることになった。

 佐喜真淳氏 22,612票
 伊波洋一氏 21,712票
        (選管最終)

 佐喜真淳氏(さきま・あつし) 1964年8月9日生まれ、市真志喜出身。千葉商科大卒。2001年から市議2期5年。06年県議補選で初当選し2期5年。