自著「水俣の赤い海」を被災地に 原田正純さん
水俣病患者と長く向き合ってきた医師の原田正純さん(76)=熊本市=が東日本大震災の被災地の子どもたちに、自著「水俣の赤い海」(フレーベル館)を30冊贈った。ほかの被災地にも贈る予定。
1986年に著した児童書で、胎児性患者の若者たちが自立を目指して生きようとする姿を記録。「逆境を乗り越えて生きることの大切さを学んでもらいたい」と被災地への寄贈を決めたという。知人を通じて贈り先を探し、このほど宮城県女川町の教育委員会に届けられた。町教委は町内の小学3校と中学2校に3冊ずつ、残りを生涯学習向けの図書室に配備した。
女川町は津波によって建物の7割が被災。肉親や家を失った子どもたちも多く、町教委は「原田先生の本に触れ、少しでも強くなってほしい」と話している。(石貫謹也)
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水俣の赤い海