東日本大震災による原発事故の影響で避難生活をしているいわき市の小学生17名が、来月19日まで水俣市内で夏休みを過ごす。この企画は水俣市内の市民が計画し、市が支援金を支給するなどして実現した。
「風評被害」という共通の痛みをもつ九州と東北にある両県の助け合い。この災害によって、私たちは一つの共同体としての「日本」という国を再確認した。
くまにちコム 2011年07月23日 から転載
思いきり遊んで いわき市の児童ら水俣に到着
福島第1原発事故の影響で、不自由な生活を強いられている福島県いわき市の小学生ら17人が22日夕、夏休みを利用して一時避難する水俣市に到着した。市民と交流しながら来月19日まで滞在する。
市は支援金を支給するなどして避難生活をサポート。市役所で出迎えた宮本勝彬市長は「自然の中でたくさん遊び、いい思い出をつくってほしい」と歓迎の言葉を述べた。
水俣入りしたのは、3歳から小学6年までの12人とその保護者5人。水俣市の紙すき職人金刺潤平さん(51)が、実母の郷里がいわき市にある縁で計画を橋渡しした。地場企業の新栄合板工業が滞在中の宿舎として海辺の寮を提供した。
寮で開かれた歓迎会に参加した一行は屋外でバーベキューを楽しみ、地元の子どもたちと早速交流。保護者によると、東日本大震災以降、余震や放射線量を懸念して外遊びを控えるなど、子どもたちは厳しい4カ月を過ごしてきたという。
小学1年の娘と同2年のおいと共に来た高木政枝さん(42)は「九州は初めてだけど子どもたちも喜んでいる。思い切り外で遊ばせたい」。伊藤悠太郎君(11)は「福島では運動場が使えなかった。水俣では海で遊び、習っているサッカーもしたい」と話していた。(辻尚宏)